FXトレーダーのみなさん、窓(ギャップ)を有効活用していますか?
窓によるブレイクアウトは、為替相場で月に3~5回程しかないですが絶好のトレードチャンスです。月曜日の朝だけ早起きするだけの価値が窓にはあります!
そこで今回は、「窓埋めの失敗」を利用した順張り&ブレイクアウト手法の実践解説をしたいと思います。「窓の使い方をいろいろ知りたい!」という方、ぜひ読んでみてください!
目次
「窓」は一種の長大線
「窓埋めの騙しを利用したFX手法」の紹介の前に、ブレイクアウトにおける窓の考え方について簡単に解説します。
FXや株式相場で発生する「窓」は、トライアングルやウエッジ、レンジなどの保ち合いパターンのブレイクアウトのきっかけになることがあります。
そのため、「窓」は一種の長大線と考えることもできます。
- 上窓(=上に開いた窓) ≒ 長大陽線
- 下窓(=下に開いた窓) ≒ 長大陰線
たとえばレンジの上限ラインを窓の発生でブレイクアウトするのは、「長大線で勢いよくレンジを上昇ブレイクアウトした」とも解釈できます。
そして、窓の幅が大きいほど、ブレイクアウトのインパクトが強く成功確率が高いと考えられます。
下のドル/円15分足チャートで実際に見てみましょう。
15分足では、金曜日にレンジ相場を形成し、月曜日の市場オープンで上窓が発生しました。この上窓はレンジを上方向に突き破り、その後価格はレンジ上限ラインを2回テストした後大きく上昇しています。
このように、窓はブレイクアウトの引き金になり、そのままブレイクアウト方向に価格が伸びていく傾向があります。
月曜日を給料日にしよう!窓埋めの失敗を狙いうちしたFX手法の紹介!
FX相場では、月曜日の市場オープン時に窓が発生することが多いです。
この窓において、窓を埋めようとする動きを見せると、市場参加者は窓埋めを期待してその方向にトレードを仕掛けてきます。
このとき、最終的に窓が埋まらなかった場合、逆方向にその日一日大きなトレンドが発生する傾向があり、順張りで仕掛けるトレンド日になります。
では、次の3つのチャートで具体的なトレード方法を解説します。
トレード例1:ギャップブレイクアウトは、窓埋め失敗狙い撃ちトレードの大チャンス!
先週の金曜日にレンジやトライアングルなどのチャートパターンを形成していた場合、「窓出現=ブレイクアウト発生」と考えます。
特に、金曜日のニューヨーク市場(21時~翌日6時)があまり動きが見られない停滞相場の場合、月曜の窓出現により相場が一方向に大きく動く傾向があります。
このように、月曜日の市場オープン時に窓が生じた場合は、ブレイクアウト手法のエントリーチャンスです。
月曜日のトレードでは、早朝に窓が出現していないか、窓によるブレイクアウトが発生していないか確認しましょう。
下のチャートはオージー/円1時間足です。
上昇トレンドにおいて、木曜日の後半から金曜日にかけてトライアングルパターンを形成し、次の週月曜日の上窓でこのパターンをギャップ・ブレイクアウトしました。
このようなトレンド方向に保ちあいチャートパターンをブレイクアウトする窓は、ブレイクアウト方向の勢いが強いため、窓が閉じにくいです。
そのため、ギャップブレイクアウトにおける窓では、窓埋めトレードは成功確率が低いので注意してください。
ポイント
今回のように、1時間足上昇トレンドにおいて、前日高値と2日前高値の水準を同時に超えるブレイクアウトは注目度が高く、ブレイクアウトが伸びやすい傾向があります。
5分足で詳しく見てみましょう。
窓発生後、短期的に上昇しましたがトレンドラインを割り、下落しました。
この下落において、下降トレンドラインを利用した戻り売りで、窓埋めを狙った新規売りポジションが市場に蓄積されています。
しかし今回も窓が埋まらず、下降トレンドラインを上抜けました。
この動きを見た売りポジション保有トレーダーは窓埋めが難しいとみて売りポジションをトレンドライン上抜けですばやく利益確定します。
また、このポイントは前日レンジの上窓ブレイクアウトによるブレイク2波でのフラッグであり、上方向にブレイクアウトすることで順張り派の新規買い注文が入り、大きな上昇トレンドにつながります。
関連:【上位足のトレンドに乗る!】1時間足ミニフラッグを5分足で仕掛けるMTF×ブレイクアウト手法!
ちなみに、窓埋めが失敗すると、ギャップ幅分上の水準をターゲット水準として、価格が上昇するので、この水準が利食い水準の候補になります。
ポイント
- 上窓では、最終防衛ラインを上抜けると窓埋め失敗が完了し、売り派が総撤退して上昇トレンドが加速するため、ここが買いを仕掛けるポイント!
※注意点として、FX相場では早朝(6時~7時)はスプレッドが広がりやすく、取引コストの増加や思わぬロスカットに遭う危険性があります。
そのため、月曜日の窓を利用してトレードする場合は、早朝時のスプレッドが広がりにくいFX会社を選ぶことが大切です!
朝のスプレッドが広がりにくいFX会社!
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トレード例2:窓埋め失敗で逆方向に大きく動くかどうかの判断例
注意点として、次のチャートのように窓埋めを狙った仕掛けが弱いときは、その失敗で反対方向に伸びにくいです。
下のチャートは、ユーロ/ポンド5分足です。
アジア市場でレンジを形成しています。ユーロ市場に入ると、そのレンジを下ブレイクアウトしました。
これは窓埋めを狙った売りの試みですが、陰線1本のみであり、売りポジションはそこまで大量に市場に参入していません。
そのため、この窓埋め失敗では大きく上昇する可能性が低いので、アジアレンジの高値を超えても買ってはいけません。
その後、レンジを上方向にブレイクアウトするも失敗し、再度下ブレイクアウトが発生しました。
そして、NY市場オープン直後に前日クローズ直前に形成したレンジ帯にぶつかり、ブレイクアウトは停止しました。
この価格帯で上昇ウエッジでもみあい、じわじわと高値安値を切り上げて売りのパワーが衰退しているのを見た売り派は、ブレイクアウトが窓の開始水準まで届かないと判断しここでポジションを利益確定します。
この決済買い注文とウェッジの上昇ブレイクアウト買いで大きく上昇し、さらにEU市場の最高値を価格が越えたらトレンド発生を期待する順張り派の買い注文も加わり大きく上昇しました。
ポイント
- 窓埋めを狙う仕掛けがローソク足1~3本で構成されると場合は、窓埋め失敗で逆方向に大きなトレンドを生むほどの燃料とならない!
補足
今回のように東京市場とユーロ市場で動きがない日は、NY市場オープン前後でボラティリティが高まり大きなブレイクアウトが生じる傾向があります。
トレード例3:窓発生の翌日のトレード
では最後に、ユーロ円を見てみましょう。
1時間足の下降トレンドにおいて、下窓が発生しています。
この窓が発生した日と次の日をそれぞれ5分足で見てみましょう。
窓発生日では、EU市場後半からNY市場にかけて上昇トレンドを形成し、窓埋めを狙う買い派の動きが見られますが、上昇トレンドラインを市場クローズ直前に下抜け、失敗に終わりました。
次の日の5分足を見てみましょう。
前日の終わりに上昇トレンドラインを下抜け、買い派は窓埋めの形成に悲観的になっています。
今日の相場では上昇チャネルを形成し、再度窓埋めを狙った買い派の動きが見られますが、チャネルライン到達で逆V字をつくる強い売りの抵抗に遭い、上昇が継続せずチャネルを下抜けました。
この値動きにより買い勢力は窓埋めは難しいとみて総撤退し、下落が加速しやすい環境になります。
チャネルブレイクアウト2波でトライアングルパターンを形成しており、このセカンドブレイクアウトは良い売りのエントリーチャンスです。
ポイント
- 窓発生日の翌日に、窓埋め失敗が確定して逆方向のトレンドが発生することもあり!
※窓埋め失敗を狙う早朝のトレードは、流動性が低いため注文が滑りやすいです。
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