この記事では、ギャップアップの失敗を利用した窓埋め後の順張り手法を紹介します。
株式相場ではFXとちがい、ほぼ毎日の寄り付きで窓が発生するため、このパターンの発生頻度が高いです。
株のデイトレードの戦略として、ぜひ参考にしてください!
目次
ギャップアップ失敗の窓埋めを利用した手法
ギャップアップ時に重要なレジスタンスライン(上位足トレンドラインや前日高値など)をギャップブレイクアウトしたとき、市場オープン時にデイトレーダーの買い注文が殺到します。
その後、その方向に株価が伸びず、反転下落して窓埋めとなった場合、その買い注文の損切により逆方向に大きく動く傾向があります。
株式相場では、市場オープン後30分間が最も取引量が大きいです。そのため、窓によるブレイクアウトが失敗すると、逆方向に大きなトレンドが発生する特徴があります。
※窓を埋める確率について知りたい方は、『「埋めない窓は無い」は本当か?日経平均を10年遡って検証|SBI証券』が参考になりますよ!
では、具体的なトレード方法や重要ポイントを、次の4つのトレードで詳しく見てみましょう!
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前日高値のギャップブレイクアウト!
次のチャートは、JTBの5分足です。
2020年4月23日(木)と24日(金)で、2日連続で大きく上昇しています。
また、どちらの日も市場オープン時のギャップアップ(上窓)で前日高値の水準を超え、上昇ブレイクアウトが成功しました。
この流れを見て、4月27日に前日高値を超えるギャップアップが発生すると、今回も大きな上昇が発生すると期待した大衆の買いが殺到します。
3分足で詳しく見てみましょう。
3分足では、寄り付き後の1本目の足で大きな長大陰線が発生しています。
ギャップアップ直後の足で長大陰線が発生した場合は、売り圧力が高く、トレンドを継続させるだけの上昇パワーがないことを示唆しているので、買いを仕掛けるのは危険です。
次の足でも長大陰線が発生し、窓埋めが完了しました。
1本目の足の上ヒゲの価格帯では、ブレイクアウトトレーダーの高値掴みした買いポジションが蓄積されており、窓が埋まることで「ギャップブレイクアウトは失敗した」と考えて買いポジションを手仕舞う動きが入ります。
4本目の足では、ギャップゾーンに回帰するプルバックが発生しています。
大きな上ヒゲが発生していることから、ここでは次の2つの売り注文が重なっており、絶好の売りポイントになります。
- 買いポジの損切をし損なったトレーダーによる損切
- 窓埋め後の下降トレンドを狙った戻り売り
ポイント
ギャップアップ後、1つ目の足が陰線の場合、窓埋めに株価が走る可能性大!
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レンジブレイクアウト失敗でのドテントレード
レンジのギャップブレイクアウト失敗では、逆方向に仕掛けるドテン戦略が有効です。
下のチャートは、アステラス製薬の5分足です。
2020年5月8日・11日・12日の3日間で、レンジ相場を形成しています。
13日のギャップアップで、このレンジ上限(=2日目の最高値)と前日高値の2つの水準を超えました。
詳しく見てみると、寄り付き1本目の長大陽線では、大きな下ヒゲで窓を埋めており、買いの強さが見られます。
そして次の2本の足で、ハラミ足(インサイドバー)が連続形成しました。
このハラミ足のブレイクアウトは、ギャップアップ後の押し目買いの仕掛けポイントです。
しかし、今回はレンジ上限と寄り付き足の高値を超えるも、強い売りの抵抗で大きな上ヒゲが発生し、ブレイクアウトは失敗に終わりました。
ハラミ足安値を下方向に抜けたら、ドテン売りを仕掛けるチャンスです。
ギャップアップによるブレイクアウトと包み足ブレイクアウトの買いの試みが失敗になり、大きな急落が期待できます。
利食い水準
前日の相場を見ると、上窓が発生するも窓を埋めることなく上昇しました。
このように窓が埋まることなく翌日を迎えたケースでは、ギャップアップの失敗で大きな下落が発生すると、その窓を埋めようとする動きにより、窓の開始点まで株価が下落する特徴があります。
前日の窓埋めが完了したら、利益確定しましょう。
補足
1時間足チャートを見ると、1836円~1839円が強いレジスタンス帯としてあります。
5月8日のギャップアップでもブレイクアウトが失敗しており、機関投資家による強い売り浴びせが発生する価格帯になります。
そのため、13日のギャップアップも成功確率が低いため、買いを仕掛けるのは危険です。
ポイント
1時間足レジスタンスラインを超えようとするギャップアップは、強い売り圧力により失敗しやすく、逆方向の仕掛けが良いトレードチャンス!
前日下降チャネルのギャップブレイクアウト
上のトレードと似たケースをさらに1つ見てみましょう。
下のチャートは、昭和電工の3分足です。
前日の相場で下降チャネルを形成し、翌日の上窓でブレイクアウトしました。
ギャップアップ後の1本目の足で前日高値も同時にブレイクアウトしており、買いのチャンスに見えますが、寄り付きの足が確定するまで買いを仕掛けてはいけません。
今回のように、ギャップブレイクアウトするも1つ目の足で大きな上ヒゲが発生する場合、ブレイクアウトが失敗する確率が高いです。
エントリーポイント
寄り付き後の1つ目の陽線は前日高値を超えたブレイク足で、この安値下に損切注文がたまっています。
そのため、株価がこの足の安値を下抜けたら、損切により下落が加速するため売りを仕掛けます。
利食い水準
前回のトレード同様、この相場も前日で上窓が発生し、窓埋めせず翌日を迎えました。
ギャップアップが失敗して、上昇余地がないと判断されると、売り浴びせにより前回窓の開始点まで下落する傾向があるので、この水準まで利益を伸ばしましょう。
ポイント
窓発生直後のブレイク足の安値下抜けが売りを仕掛けるエントリーポイント!
1時間足トレンドラインで上値を押さえられたギャップアップ
下のチャートは、富士通の3分足です。
前日に引いた2本の下降トレンドラインをギャップアップで上昇ブレイクアウトしました。
大きな上昇が期待できる買いのセットアップになりますが、今回の相場では買いを仕掛けるのは危険です。
理由
上窓のすぐ上に30分足で引いた長期下降トレンドラインがあり、株価は強く上値を抑えられいるため!
3分足チャート詳しく見てみると、1本目の足では大きな下ヒゲで強い買いの力が見られますが、2本目の足で長大陰線を形成し、
次の十字線では、小さな価格帯で1時間足トレーダーの売りと1~5分足トレーダーの買いのせめぎあいが発生しています。
この十字線の安値をさらに2本目の長大陰線で下抜けたことから、買い勢力の負けが決定しました。
エントリーポイント
十字線&ハラミ足の下ブレイクアウトで売りを仕掛ける!
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