この記事では、株式相場における頻出チャートパターン「アイランドリバーサル」のトレード方法を紹介します。
これは上窓と下窓の2つで形成する、株式相場のトレンド転換を示唆するパターンです。
参考図書:シュワッガ―のテクニカル分析
目次
- 株式相場のトレンド転換を捉える!アイランドリバーサルとは?
- アイランドリバーサルの実践的な使い方&戦略
・機能する相場環境&エントリーポイントは?
・レンジ型アイランドトップの攻略
・ヘッド&ショルダーズ型アイランドトップのエントリーポイント
・アイランドリバーサル騙しでのトレード方法
株式相場のトレンド転換を捉える!アイランドリバーサルとは?
アイランドリバーサルは、2つの窓(上窓&下窓)で形成されるチャートパターンです。
下のJT1時間足チャートで実際に見てみましょう。
安値圏において、1月8日・9日の寄り付きで、ギャップダウンとギャップアップが連続して発生しています。
2つの窓に挟まれたローソク足が左右の値動きから孤立しているのが特徴です。
アイランド・リバーサルの種類
- アイランドボトム:下降トレンドの安値圏で発生したアイランドリバーサル
- アイランドトップ:上昇トレンドの高値圏で発生したアイランドリバーサル
このパターンはトレンド転換につながることが多く、逆張りシグナルとして有効です。
アイランドリバーサルの実践的な使い方&戦略
次の4つのチャートで、アイランドリバーサルの使い方やエントリーポイントを紹介します。
1.機能する相場環境&エントリーポイントは?
下の相場では、前回上昇トレンドの高値圏で発生したダブルトップのレジスタンスラインを上窓でブレイクアウトしています。
多くの市場参加者は、このギャップ・ブレイクアウトをトレンド継続のシグナルと考え、買いの仕掛け注文が市場に殺到しています。
そのため、このアイランドトップでは、買いポジションが大量に蓄積されており、その後のギャップダウンで買いポジションの損切を巻き込み大きな下落が期待できます。
このポイントを3分足で詳しくて見ましょう。
3分足では、下窓発生直後、大きな長大陰線でダブルトップ高値の水準を勢いよく下抜けています。
下窓とほほ同じ下落幅の陰線であることから、下落の勢いが強いとわかります。
その後相場は、1時間足上昇トレンドの始点・終点を起点に引いたフィボナッチ・リトレースメント38.2%でいったん下げ止まりました。
その直後、高値安値を切り下げており、売りの勢いが強いと判断できるため、株価が38.2%の水準を下抜けたら売りを仕掛けます。
このように、エントリーポイントは、アイランドリバーサル完成後の1つ目の押し・戻しです。
2.レンジ型アイランドトップの攻略
下のエーザイ1時間足では、上昇トレンドの高値圏で、2日間アイランドトップが継続しています。
ギャップダウン前に、トレンドラインを下方向にブレイクアウトしており、売りが優勢な局面になっています。
上昇トレンドラインのブレイクアウトとアイランドトップ完成の、2つのトレンド転換シグナルが重なり、大きな下落が期待できます。
3分足では、長期レンジを形成しており、買いポジションがレンジ内で蓄積されています。
レンジ内で何度も高値が切り下がっていることから、売り勢力のパワーが高まっており、ギャップダウンでこのレンジを下ブレイクアウトすると、相場は勢いよく下落しました。
フィボナッチリトレースメント50.0%の水準を下抜けたら、ブレイク2波の戻り売りを仕掛けます。
そして、ブレイクアウト開始点から、レンジ幅下の水準がターゲット水準になり、株価がこの水準に到達したら利益確定します。
3.ヘッド&ショルダーズ型アイランドトップのエントリーポイント
アイランドリバーサルでは、レンジのほかにヘッド&ショルダーズやダブルトップ・ボトムを形成することもあります。
この場合、ネックラインでのプルバックがエントリーポイントになります。
上の1時間足チャートでは、下降トレンドラインの上ブレイクアウト後に、フィボナッチ38.2%と50%で囲まれたゾーンで買い売りの激しい攻防が発生し、ヘッド&ショルダーズ型アイランドトップが発生しています。
5分足でこのポイントを詳しく見てみましょう。
5分足では、ヘッド&ショルダーズの山を結んだラインとネックラインでトライアングルパターンを形成しています。
ギャップダウンでこのネックラインを下抜けし、再度このラインまで価格が上昇して反発下落したら売りを仕掛けます。
ターゲット水準は、ギャップアップの開始点となる価格水準で、この水準が利食い水準の候補になります。
4.アイランドリバーサル騙しのトレード方法
アイランドリバーサルも他のチャートパターン同様、トレンド転換の成功率は100%ではありません。
アイランドリバーサルが完成するも騙しになった場合は、トレンド方向に相場が大きく動く傾向があり、トレンドフォローで仕掛けるチャンスになります。
下の旭化成1時間足チャートでは、下降トレンドの安値圏でアイランドボトムが発生しています。
アイランドボトム内で大きな下ヒゲが発生しており、チャネルラインを下抜けようと試みる売り勢力の仕掛けが失敗に終わっています。
そのため、トレンド転換の期待が高まり、アイランドボトムの完成で大衆は買いを仕掛けてきます。
しかし、ギャップアップ直後は株価がトレンドラインで強い抵抗を受けて上値が重く、次の日にギャップダウンが発生してアイランドボトムは騙しになりました。
下の5分足チャートで詳しく見てみましょう。
ギャップダウン後のカウンタートレンドラインのブレイクアウトが売りを仕掛けるポイントです。
その後の下落相場では、、アイランドボトムの安値とギャップアップの高値で引いたフィボナッチリストレースメント水準、127.2%や200%がその後の下降トレンドのレジサポラインとして機能しています。
そのため、フィボナッチ水準での反発下落もまた、売りを仕掛けるポイントです。
261.8%水準を株価が下抜けることができず、ミニトリプルボトムを形成したらここで利益確定します。
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