この記事では、「エリオット波動オシレーター(EWO)」というインジケーターの使い方&見方を解説します。
これは、エリオット波動理論を提唱したラルフ・ネルソン・エリオット氏によって開発されたもので、エリオット波動のカウントに役立ちます。
目次
- エリオット波動オシレーターとは?
- EWOの見方&使い方
・EWOの値の増減の解釈
・エントリーシグナル
・EWOの極大値の分析
・EWOのダイバージェンス - エリオット波動オシレーターのMT4・MT5インジケーター
エリオット波動オシレーターとは?
エリオット波動オシレーター(EWO)は、期間5と期間35の2本の単純移動平均線の差を計算して、トレンドの方向性や勢いを測定するオシレーターの一種です。
計算式
EWO = 5期間のSMA - 35期間のSMA
0ラインの上下にヒストグラムとして表示され、5SMA>35SMAでは正の値を、5SMA<35SMAでは負の値となります。
EWOの見方&使い方
EWOの値の増減の解釈
上昇トレンド相場では、5SMAが35SMAより上にあるため、EWOは0より大きい値で推移します。
そして、上昇トレンドでのEWOの値の増減は、トレンドの短期的な方向性を示しています。
EWOの値が増加
5SMAが35SMAより急角度で上昇しており、2本のSMAの距離が広がっていることを意味しています。
5SMAは短期のトレンドの方向性を表し、35SMAは中期のトレンドの方向性を表します。そのため、これは短期と中期のトレンドの方向が一致しており、上昇トレンドが加速している段階です。
EWOの値が減少
5SMAが下降して、2本のSMAの距離が近づいていることを意味しています。
一時的に上昇力が低下しており、上昇トレンド相場における調整下落の段階です。
エントリーシグナル
また、EWOが減少から上昇に転換するポイントは、短期トレンドと中期トレンドの方向が再び一致する開始点であり、押し目買いのエントリータイミングになります。
買いのシグナル
上のEWOインジケーターでは、EWOの上昇時はヒストグラムが薄い青色で、下降時は濃い青色で色分け表示されてます。
そのため、ヒストグラムが濃い青色から薄い青色に変化したタイミングが、買いを仕掛けるシグナルになります。
EWOの極大値の分析
EWOは上昇トレンドが長く継続すると、複数の山(極大値)を形成します。隣接する山の大小関係で次のようなことがわかります。
前回の極大値を更新
5SMAの35SMAに対する乖離率が前回の上昇波より大きいことを意味しており、上昇率が加速しています。
前回の極大値を下回る
トレンドの勢いが弱まっています。トレンドの初期~中期では調整下落に移行するシグナルですが、トレンドの終期ではトレンドが終了するシグナルになります。
EWOのダイバージェンス
またこのとき、EWOの山は切り下がっているのに対し、価格は高値を更新している場合はダイバージェンスになります。
下のユーロドル5分足チャートでは、EWOのダイバージェンス発生後、トレンドが終了しレンジ相場に移行しています。
他にも、EWOが0ラインを下抜ける(=5SMAと35SMAのデッドクロス)のも上昇トレンドが弱まっているサインです。
以上、上昇トレンドにおけるEWOの見方&使い方でした。同様に、下降トレンドにおけるEWOのポイントも簡単にまとめます。
- 下降トレンドでは、EWO<0
- EWOの値が減少:下降トレンドが加速している
- EWOの値が増加:下降力が低下している
- EWOが上昇から下降に転換:戻り売りのエントリータイミング
- 前回の極小値を更新:下落率が加速している
- 前回の谷を切り上げ:トレンドの勢いが弱まっている
- EWOと0ラインのGC:下降トレンドの終了の可能性大
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エリオット波動オシレーターのMT4・MT5インジケーター
最後に、MT4やMT5でEWOを使いたい方向けに、インジケーターのダウンロードサイトを紹介します。
・Fast Period:EWOの短期MAの期間→「5」にする
・Slow Period:EWOの長期MAの期間→「35」にする
・Apply to:上の2本のMAの適用価格→「Close Price(終値)」にする
・Method:MAの種類→「Simple」にする
また、EWOに移動平均線を追加することもできます。
・Show MA:「true」にすると、MAが表示されます
・Period:MAの期間
・Method:MAの種類
※TradingViewのチャートでもエリオット波動オシレーターを表示することができます。
表示方法
インジケーター検索欄で「Elliot wave oscillator」と入力してクリックする