この記事では、MT4・MT5を使う上で必ず知っておくべき「GMT」について解説します。
「いろいろ覚えるのがめんどくさい!」という方向けに、
FXで最低限覚えておくべきGMTのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください!
目次
GMTとは?
GMT(グリニッジ標準時)とは、イギリスのグリニッジ天文台(経度0度)を基準とした、世界各国の標準時(タイムゾーン)です。
GMTのルール
- イギリスのグリニッジ天文台(経度0度):GMT±0
- 標準時間より○○時間早い場合→「GMT+○○」
- 標準時間より○○時間遅い場合→「GMT‐○○」と表記する
GMTにより、各国の時差が明確になります。
GMTの表記例
・日本:標準時より9時間早い→「GMT+9」
・ニューヨーク:標準時より5時間(4時間)遅い→「GMT-5」(「GMT-4」)
※括弧()は夏時間(サマータイム)でのGMTです。サマータイムを導入している国では、GMTが約半年ごとに±1変化します
夏時間(サマータイム)とGMTの関係
米国、欧州など多くの国では、サマータイムを採用しています。
サマータイムとは、日照時間の長い夏の期間、時間を1時間進めて日中の時間を有効活用する制度です。
例:米国のサマータイム
・夏時間:3月第2日曜日午前2時~11月第1日曜日午前2時
・冬時間:11月第1日曜日午前2時~3月第2日曜日午前2時
このサマータイムにより、夏と冬で時間が異なり、季節によってGMT(時差)が1ずれてしまいます。
たとえばシドニーでは、冬時間で時差が11時間ですが、夏時間では時差が10時間(=11-1)になります。
シドニーでのGMT
・夏時間:GMT+10
・冬時間:GMT+11
GMTの基本は以上です。ここからは、MT4・MT5でGMTについて押さえておくべきポイントを解説していきます。
MT4・MT5では、GMT+2/+3がメジャー
世界中の多くの国のFX会社は、チャートの表示時間にGMT+2/+3を採用しています。
GMT+2/+3を採用する理由
GMT+2/+3の日足チャートでは、ローソク足が週5本で正しく表示されます。
それに対して、それ以外のGMTの日足チャートでは、土曜日や日曜日にもローソク足が作られ、週6本になってしまいます。
GMT+0の場合
GMT+0のチャートでは、夏時間でGMT+3に比べ3時間早いため、日曜日の日足ローソク足が2時間で構成され、金曜日の日足は21時間、残りの4本の日足は24時間で構成されます。
このように、1週間に6本の不均等な日足になってしまいます。
GMT+9よりGMT+2/+3がおすすめな理由
GMT+9(日本時間)のMT4・MT5では、チャートの時間が日本時間で表示されるので見やすいです。
しかしデメリットとして、土曜日にもローソク足が表示され、日足では1週間で6本のローソク足ができます。
その結果、日足でのテクニカル指標(MAやRSIなど)の数値やデイリーピボットポイントの水準が変わってしまいます。
世界中のトレーダーの多くはGMT+2/+3のチャートを見ているため、GMT+9チャートのテクニカル指標は注目されにくく精度が低くなります。
GMT+2/+3を使うメリットは、次の3つです。
メリット
- 日足チャートで、ローソク足が週5本表示される
- 日足のインジケーターの数値・水準の信頼性が高い
- EA(自動売買)もGMT+2/+3を基準に作れられているものが多い
GMT+9とGMT+3のデイリーピボットポイントを比較してみる
下の2枚の画像は、GMT+3とGMT+9のドル円5分足チャートです。
GMT+3のチャート
GMT+9のチャート
デイリーピボットポイント(DPP)は、前日の高値・安値・終値から算出されます。
そのため、GMT+9チャートの月曜日のDPPは「土曜日」の高値・安値・終値から算出されるのに対して、GMT+3では「金曜日」の高値・安値・終値から算出されます。
その結果、上の2枚のチャートのように、月曜日のDPPの水準はGMT+9とGMT+3で大きく違ってきます。
GMT+9での月曜日のピボットポイントの水準は、GMT+2/+3に比べレジサポラインとして機能しにくいので注意してください!
MT4・MT5で、GMT+2/+3を採用しているFX会社一覧
MT4・MT5に、GMT+2/+3を採用している主なFX会社は以下の通りです。
MT4
・XM Trading
・FXTF
MT5
・OANDA Japan
・XMTrading
OANDAやFXTFでは、デモ版のMT4が無料で利用できるので気軽にお試しください!
注意点
GMOクリック証券やヒロセ通商、外為ドットコムなど、独自開発のプラットフォームではGMT+9(日本時間)を採用していることが多いので注意してください。
もし日足のテクニカル指標やピボットポイントを分析するならば、上で紹介したGMT+2/+3のMT4口座を1つもっておくといいですよ!
チャート分析はGMT+2/+3のMT4で、ポジションを建てるのはメイン口座で使い分けてみてはどうでしょうか?
GMTの重要ポイントまとめ【2点のみ!】
GMT+2/+3を採用しているMT4・MT5を利用している場合、押さえておくべきポイントは次の2点です。
ポイント1
GMT+2/+3の時間を、日本時間に変換する計算式
GMT+2/+3のMT4・MT5の欠点として、チャート横軸の時刻が日本時間になっていないので、過去のローソク足の時間が日本時間でいつなのかわかりにくいことが挙げられます。
次の式を使えば、簡単に日本時間に変換できるので利用してみてください!
- 夏時間:MT4の時刻+6時間=日本時間
- 冬時間:MT4 の時刻+7時間=日本時間
※計算式の6(7)時間は、GMT+2(+3)とGMT+9(日本時間)の差です
計算例:ユーロドル5分足チャート
・13時15分(GMT+2) → 20時15分(日本時間)
・5時35分(GMT+3) → 11時15分(日本時間)
※ちなみに、下の早見表で簡単にGMT+2/+3と日本時間の対応関係を調べることができます。印刷して手元に置いておくと便利ですよ!
たとえば、MT4(GMT+3)の時刻が5:00の場合、早見表から日本時間11:00だとわかります。
ポイント2
GMT+2とGMT̟+3の変更時期を把握しておく
夏時間は米国式と英国式の2つが主にありますが、FX業界では米国式を採用していることが多いので、米国式の夏時間・冬時間の期間を覚えておきましょう。
米国式の夏時間・冬時間の期間
夏時間(GMT+3):3月第2日曜日午前2時~11月第1日曜日午前2時
冬時間(GMT+2):11月第1日曜日午前2時~3月第2日曜日午前2時
つまり、3月第2日曜日と11月第1日曜日に、GMTが変更されます。
※GMT+2/+3の変更時期は、証券会社で少し異なることがあるので、「証券会社 MT4」等で検索して確認してください
「夏時間:GMT+3」の覚え方の例:「夏→サマー→太陽→サン→3」
使用しているMT4・MT5のGMTを調べる方法
使っているMT4・MT5のGMTは、次の方法で確認できます。
step
1MT4(MT5)で「気配置表示」を開き、MT4(MT5)サーバーの表示時刻を確認する
※土日は表示時刻が停止しているので、為替市場が開いている時間帯で調べてください
step
2下記のサイトで、GMT+0の現在の時刻を調べる
step
33①と②の時間差を計算する
この時間差で、MT4・MT5のGMTがわかります。
MT4(MT5)サーバーの時間 ー 現在の時間 GMT+0 = 8 - 6 = 2 → GMT+2
各国のGMT時間を表示するMT4インジケーター
詳しくは、『【MT4・MT5】各国の時間を表示するインジケーター!【NY・ロンドン・東京・シドニー】』で紹介しています。