FXの深研究

   テクニカルトレードのアイデア&テクニックを紹介!

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2023/5/15

DMI(方向性指数)のTradingViewインジケーター14選!

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2023/5/11

TradingViewのユニークなインジケーターを10個紹介!

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2023/5/8

マネーフローインデックス(MFI)のTradingViewインジケーター22選!

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2023/5/2

ハル移動平均線(HMA)のTradingViewインジケーター16選!

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2023/4/28

TradingView|ビル・ウィリアムズのアリゲーターインジケーター12選!

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2023/5/2

【MTF】上位足の移動平均線を複数表示するTradingViewインジケーター12選!

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2023/4/29

市場構造の分析に役立つTradingViewインジケーター8選!

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2023/4/21

TradingView|QQEインジケーターを18個紹介!【RSIの派生インジ】

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【相場のパワーバランスを解析!】ブルパワー&ベアパワーとは?使い方4選!

2020年5月5日

 

相場は、価格を押し上げようとする買い勢力( "Bulls")と価格を押し下げようとする売り勢力("Bears")の攻防で形成されます。

 

ブルパワー(Bulls Power)とベアパワー(Bears Power)は、この買い売りのパワーバランスを数値化するオシレーターです。

相場のパワーバランスの変化を読み取り、トレンドの継続や反転の可能性についての情報を教えてくれます。

目次

  1. 【FX】ブルパワー&ベアパワーとは?
  2. ブルパワーとベアパワーの計算式&見方
  3. ブルパワー・ベアパワーの4つの使い方
    ・トレンド相場の強さを分析
    ・レンジ相場の発見
    ・押し目買い・戻り売りの仕掛けのタイミング
    ・ダイバージェンスでトレンドの反転を予測

 

【FX】ブルパワー&ベアパワーとは?

RSIやストキャスティクスなど多くのオシレーターは、相場の背景にある買い売りの力関係を単一の指標で測定します。

 

それに対して、ブルパワーとベアパワーはそれぞれ別々の計算式で、相場の買いと売りの勢力の強さを個別に測定します。

  • ブルパワー:現在の相場における買いの力を数値化
  • ベアパワー:現在の相場における売りの力を数値化

そのため、1つの指標で測定するのに比べ、買い勢力・売り勢力それぞれの力・勢いについて、より精確な分析が可能になります。

 

この2つのオシレーターは通常、セットで利用します。

2つの数値を比較することで、買いと売りのどちらが強いのかを判断し、市場の支配側で優位にトレードすることができます。

 

 

ブルパワーとベアパワーの計算式&見方

 

ブルパワーの計算式

ブルパワーは、ローソク足の最高値からEMAまでの距離を測定することで、買い勢力の力を見ます。

これは、買い勢力が価格を平均値を超えてどれだけ上に押し上げる能力があるかを見ています。

・移動平均線:特定の期間での買い売りの力が釣り合う平均値
・ローソク足の最高値:買いの強さの上限を表す

 

以上より、ブルパワーの計算式は次のようになります。

計算式

ブルパワー = 現在のローソク足の高値 ‐ n期間のEMA

開発者アレキサンダー氏は、EMAのパラメーターnに13を推奨しています。

 

見方

・ローソク足高値がEMAを超えている:ブルパワーは正の数値であり、そのヒストグラムは中心線(0水準)より上にある
→ 買いの力が売りの力を上回り、買い勢力が優勢!

・ローソク足が下落しEMAを下回る:ブルパワーは負の数値になり、ヒストグラムは0水準を下回る
→ 売りの力が買いの力を上回り、売り勢力が優勢!

このように、ブルパワーが0水準の上下どちらにあるかで、買い勢力と売り勢力どちらが支配権を握っているかを把握することができます。

 

ベアパワーの計算式

ローソク足の最安値(=売りの強さの上限)とEMAの差は売りのパワーを表し、ベアパワーはこれを数値化します。

 

ベアパワーの計算式は次のとおりです。

計算式

ベアパワー = 現在のローソク足の最安値 ‐ n期間のEMA

 

見方

・ローソク足安値がEMAより下にあるとき:ベアパワーは負の数値
→ 相場の圧力が売りに傾いており、売り優勢

・ローソク足安値がEMAを上回る:ベアパワーは正の数値
→ パワーバランスが逆転し、買い優勢になる

 

ブルパワー・ベアパワーの4つの使い方

ブルパワー・ベアパワーは、具体的に次の4つの使い方があります。

4つの使い方

・トレンド相場の強さを分析
・レンジ相場の発見
・押し目買い・戻り売りの仕掛けのタイミング
・ダイバージェンスでトレンドの反転を予測

それぞれ順に解説していきます。

 

トレンド相場の強さを分析

ブルパワーで、上昇トレンドの強さを判定し、ベアパワーで下降トレンドの強さを判定することができます。

 

  • 勢いの強い上昇トレンド:ブルパワーが0水準を下回ることがほとんどなく、正の数値が大きい

 

ブルパワーの極大値が大きいほど、上昇トレンドは強いです。5分足の場合、目安として、極大値が次の水準を超えていると強いトレンドと考えられます。

・クロス円:0.1の水準
・ドルストレート:0.001の水準

上のポンドドルチャートでも、ブルパワーの極大値が0.001の水準を超えています。

そして、トレンドの後半で極大値がこの水準を越えなくなると、上昇力が低下している兆候であり、上昇トレンドの終了が近いことを示唆しています。

 

  • 勢いの弱い上昇トレンド:ブルパワーが0水準を何度も下回っている

上昇トレンド中にブルパワーがマイナスになるということは、上昇力が弱い、または低下していることを示唆しています。

深めの押し目をつけることが多いので、浅い押し目で買いを仕掛けないようにしましょう。

 

勢いの弱い上昇トレンドでは、ブルパワーの極大値がトレンドの進行とともに全体的に切り下がったり、ベアパワーが0水準以下で大きな谷を形成するなどの特徴があります。

 

また、ピーク(極大値や極小値)を比較するで、トレンド転換のタイミングを予測することができます。

たとえば上の上昇トレンドのように、極大値が前回の極大値を超えることができず、その後3つ連続で極大値が切り下がっているのは、上昇力が低下しているサインです。

このシグナルを利用すれば、トレンドの天井近くで利食いすることができます。

 

レンジ相場の発見

ブルパワーとベアパワーを使って、レンジ相場を発見したり、レンジ内での支配者を特定することもできます。

レンジ相場の発見法

  • ブルパワー&ベアパワーともに、中央線(0水準)を何度も上下に往復し、全体的にヒストグラムの大きさが小さい

 

下のレンジ相場を見てください。

ブルパワー

レンジの前半では、ベアパワーの負のヒストグラムが大きく、後半はブルパワーの正のヒストグラムが大きいです。

これは、レンジの前半は売り勢力が優勢で、後半は買い勢力が支配権を握っていることを示しています。

 

その後レンジを上昇ブレイクしており、買い側のパワーが実際に強かったことがわかります。

このように、レンジ内での優勢側を把握することは、レンジの真のブレイクアウト方向を予測するのに役立ち、ブレイクアウト手法のフィルターとして使うことができます。

 

押し目買い・戻り売りの仕掛けのタイミング

押し目買いや戻り売りは、買い売りのパワーバランスがトレンド側に転換したタイミングで仕掛けるのがベストです。

この買い売りのパワーバランスの短期的な転換は、ブル(ベア)パワーが0水準を超えることで発見できます。

パワーバランスの変化

・ブル(ベア)パワーが0水準を下抜ける:買い→売りの勢力転換

・ブル(ベア)パワーが0水準を上抜ける:売り→買いの勢力転換

 

このシグナルを利用した順張りの仕掛けは、次の通りです。

順張りシグナル

  • 押し目買い:上昇トレンド時に、ブルパワーが0水準を下回り、3~5本後に0水準を上抜けたとき
  • 戻り売り:下降トレンド時に、ベアパワーが0水準を上回り、3~5本後に0水準を下抜けたとき

 

上のチャートでは、ブルバワーによる3つの買いシグナルが点灯しています。

 

3つ目のシグナルのように、前回安値(押し安値)をローソク足が完全に下抜けたときは買うのは避けましょう。トレンドが転換している可能性があります。

また、0水準をヒストグラム1本のみで下回った場合は、シグナルとして無効です。こういったノイズは騙しになりやすいです。

 

ダイバージェンスでトレンドの反転を予測

ブルパワー・ベアパワーのダイバージェンスは、トレンドを継続させる力が衰退しているシグナルです。

トレンドの反転につながることもあるので、ダイバージェンス直後の順張りは控えましょう。

 

ダイバージェンスの定義

  • 上昇トレンドのダイバージェンス:価格が高値を更新するも、ブルパワーのピーク(極大値)が切り下げっている
  • 下降トレンドのダイバージェンス:価格が安値を更新するも、ベアパワーのピーク(極小値)が切り上がっている

 

下のドル円5分足チャートでは、上昇トレンドの終焉で2つのダイバージェンスが発生しています。

ポジションを保有している場合は、このタイミングで速やかに手仕舞いましょう。

※ブルパワー&ベアパワーの使い方をより詳しく学びたい方は、開発者アレキサンダー氏の著書「投資苑」のp.373-378を参考にしてください

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