この記事では、平滑型RSIの使い方を解説します。
RSIとの相性がよく、RSIと組み合わせて使うのに適したテクニカル指標です。RSIを使っているトレーダーはぜひ参考にしてください!
平滑型RSIとは?【計算式】
平滑型RSIは、RSIの動きを滑らかにした改良型RSIです。
計算式は、次のとおりです。
※また、移動平均化することでRSIをスムージング化する方法もあります。
- 平滑型RSI = RSIの移動平均線 = ( 当日のRSI + 1日前のRSI + ・・・ + n-1日前のRSI ) ÷ n
※TradingViewで平滑型RSIが利用できます
表示方法
インジケーター検索欄で、「smoothed rsi」と入力してクリックする
では、実践的な使い方やメリットを4つ順に解説します。
RSIのノイズ的な動きを減らす
RSIは価格の動きに敏感で、価格のノイズ的な動きも捉えてしまいます。
その結果、RSIは小さな山や谷を形成し、中期的なモメンタム(価格の勢い)の方向を捉えるのが苦手です。
たとえば、RSIラインの転換で相場の転換点を捉えようとすると、何度も騙しに遭ってしまいます。
それに対して、平滑型RSIはスムージング化することで、RSIのノイズ的な動きを排除し、RSIの中期的な方向性を把握することができます。
見方
- 平滑型RSIが上向き上昇中:上昇の勢いが加速している
- 平滑型RSIが下向き下落中:下落の勢いが加速している
平滑型RSIでレンジ・トレンド相場の見つけ方
平滑型RSIが50%水準近くで横ばい or 上下動している場合、上昇の勢いと下落の勢いが拮抗してレンジ相場を形成していることを示唆しています。
上のように、レンジ幅の小さなボックスを形成することが多く、レンジ内逆張りトレードは難しいです。
しかし、この圧縮されたレンジでは、ブレイクアウトが発生すると、その方向に大きく動く傾向があります。
ポイント
ブレイクアウトトレード用のレンジ発見シグナルとして利用できます!
また、平滑型RSIと50%水準の位置関係で、トレンドの発生を簡単に見つけることができます。
トレンドの見つけ方
- 上昇トレンド:平滑型RSIが50%より上で推移
- 下降トレンド:平滑型RSIが50%より下で推移
上のチャートでは、長期上昇トレンド相場が発生しています。
価格の上昇時は平滑型RSIは上向き上昇し、押し目時は下向き下落しています。
注意点として、50%水準を下抜けるのは、上昇の勢いが低下&下落の勢いが増加しており、次の3つのいずれかの局面に移行します。
- 深めの調整下落
- レンジ相場へ移行
- トレンド転換
このように、平滑型RSIが50%水準を下抜けるのは、上昇トレンドの衰退を示す兆候なので、この動きが発生したらトレンド終了を警戒してください。
上の相場では、上昇トレンドにおいて平滑型RSIが50%水準を下抜けると、レンジ相場に移行しています。
また、その前の下降トレンド相場では、平滑型RSIが50%水準を上抜けると、トレンド転換し、上昇トレンドが発生しています。
RSIの買われすぎ・売られすぎの詳細分析
RSIが70%水準を超えたとき、同時に平滑型RSIも70%水準を超えているかどうかで、買われすぎ状態を次の2つに分けることができます。
RSIが70%水準より上にあり
- 平滑型RSIも70%水準を超えている:強い買われすぎ状態
- 平滑型RSIは70%水準をより下にある:弱い買われすぎ状態
同様に、売られすぎ状態も次の2つに分けられます。
RSIが30%水準より下にあり
- 平滑型RSIも30%水準を下回っている:強い売られすぎ状態
- 平滑型RSIは30%水準より上にある:弱い売られすぎ状態
上の下降トレンド相場で見られるように、弱い売られすぎ状態では、下降トレンド相場の一時的な反転上昇に過ぎず、トレンドが継続することが多いです。
RSIが30%を下回ったからといって、トレンド転換を狙った逆張り売りを仕掛けるのは危険です。(戻りまでの調整上昇を狙った、短期逆張り買いはOK!)
逆に、トレンドの終盤での「RSIの強い売られすぎ状態」の発生は、下降トレンドの底に対応することが多いので注意してください。
上の相場では、RSIダイバージェンスやRSIトレンドラインのブレイクアウトなど、他の買いシグナルが同時発生して、優位性が重なる逆張り買いポイントになります。
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エントリーシグナルを2つ紹介!
RSIと平滑型RSIを組み合わせたエントリーシグナルは、次の2つがあります。
トレード手法のルール構築のアイデアとして参考にしてください。
上昇トレンドの押し目買い
平滑型RSIが50%より上で上向き上昇し、このときRSIが平滑型RSIのライン上で反発上昇したら買い
また、RSIが平滑型RSIをいったん下抜け、平滑型RSIを再度上抜けたら買うのもありますが、こちらのシグナルは騙しが発生しやすいのでおすすめできません。
価格の急騰後の短期的逆張り
RSIが急上昇(平滑型RSIから大きく乖離)して70%水準を超え、70%水準を下抜けたら売り
また、RSIが急落(平滑型RSIから大きく乖離)して30%水準を下抜け、その後30%水準を上抜けたら、逆張り買いを仕掛けるチャンスです。