ストキャスティクスのゴールデンクロスやデッドクロスをエントリーシグナルとして使う場合、騙しは避けて通れません。
今回は、クロスのダマシを減らす8つの方法を紹介します。
ストキャスティクスを使った手法の勝率を改善する1つとしてよければ活用してみてください!
目次
パラメーターを大きくして、感度を下げる
ストキャスティクスの初期パラメーター(5,3,3)は価格に非常に敏感であるため、価格の小さな動きにも反応してしまう欠点があります。
こうした小さな反転でのクロスを取り除きたい場合は、ストキャスティクスのパラメーターを大きくすることが効果的です。
具体的には、初期パラメーター(5,3,3)のそれぞれの数値を2倍にした(10,6,6)がおすすめ!
上のチャートでは、パラメーターを大きくすることで騙しのクロスが減っています。
MACDフィルターで、クロスの精度UP!
ストキャスティクスとMACDを組み合わせて使うことは、「ディナポリレベル」で有名なジョー・ディナポリ氏も推奨しています。
ここでは、MACDを使ってストキャスティクスのクロスを厳選するフィルターを紹介します。
シンプルなルールなので簡単に手法に組み込むことができます。
ストキャスティクスのクロスをシグナルとして使っているなら、バックテストでトレード成績が改善するか確かめてみてはどうでしょうか?
MACDのフィルター・ルール
- MACD線>0 & MACD線が上向き上昇のとき
→ゴールデンクロスのみ、シグナルとして有効 - MACD線<0 & MACD線が下向き下降のとき
→デッドクロスのみシグナルとして有効
このフィルターは、トレンド相場における順張りのシグナルとしてストキャスティクスのクロスを使いたい場合におすすめ!
上のチャートでも、フィルターを通して押し目買いや戻り売りのシグナルを見つけることができます。
ただし、MACDのフィルター条件を満たしていても、20%水準近くでのDCや80%近くでのGCは機能しにくいので注意してください。
関連:【MT4】ストキャスティクスのインジケーター12選!【アラート・矢印・MTF】
過熱ゾーンでのクロスに注目!
過熱ゾーンは、ストキャスティクスでは次の2つがあります。
- 買われすぎゾーン:80%~100%
- 売られすぎゾーン:0%~20%
この閾値内で発生したクロスは、閾値内(20%~80%)よりもクロスの信頼性が高いです。
特にレンジ相場では、20%~80%の範囲内で騙しのクロスが多発します。
こういったノイズでエントリーをしてしまうと、損切りの連続になる可能性が高いので注意しましょう。
1回目のクロスは無視!直後の2回目で仕掛ける
ストキャスティクスの閾値を超えたクロスでも、騙しになることはもちろんあります。
さらに、精度を高めたい場合は1回目のクロスは無視して、直後の2回目で仕掛けましょう。
- メリット:2回目のクロスは、1回目のクロスより騙しになる確率が低い
- デメリット:クロスの発生頻度が1回目より少ないので、エントリーチャンスは減ってしまう
下のチャートは、5分足のレンジ相場です。2回目のシグナルで仕掛ける逆張りのチャンスがいくつかあります。
ちなみに、3回目のクロスで仕掛ける戦略もありますが、2回目のクロスよりさらに発生頻度が少ないので実用的ではありません。
ストキャスティクスとボリンジャーバンドは相性バツグン!
レンジ相場やもみ合い相場での逆張りトレードでストキャスティクスを使う場合は、ボリンジャーバンドと組み合わせて使うのがおすすめ!
価格の行き過ぎ(過熱感)をボリンジャーバンドとストキャスティクスの2つで捉えます。
買いシグナル:次の2つの条件を満たしたとき
- ローソク足が-2σバンドにタッチ
- ストキャスティクスが売られすぎゾーンでゴールデンクロス
売りシグナル:次の2つの条件を満たしたとき
- ローソク足が+2σバンドにタッチ
- ストキャスティクスが買われすぎゾーンでデッドクロス
ただし、ボリンジャーバンドがエクスパンション中でのストキャスティクスのクロスは危険です。
価格の急騰・急落で一方向に大きく動く傾向があるので、逆張りをしかけるのは避けましょう。
ちなみにRSIとの併用は、どちらも相場の過熱感を数値化したオシレーターであり組み合わせても互いの欠点をカバーできないため、あまり効果的ではないと思います。
関連 【MT4】ストキャスティクスのクロスを矢印で表示するインジケーター【アラート機能付き】
3本のストキャスティクスのラインを使う
ストキャスティクスに表示した期間50の移動平均線は、ストキャスティクスの優位な方向を教えてくれます。
これをクロスの騙しを回避するフィルターとして使うことができます。
具体的には、次のとおりです。
- MA(50)>50%水準:買い勢力が優勢な局面
→ゴールデンクロスのみ有効。デッドクロスはシグナルとして無効 - MA(50)<50%水準:売り勢力が優勢な局面
→デッドクロスのみ有効。ゴールデンクロスはシグナルとして無効 - MA(50)の上下を行き来しているとき:方向感のない局面
→ゴールデンクロス、デッドクロスともにシグナルとして無効
ただし上のチャートでわかるように、このフィルターはトレンドに対立するシグナルは排除できますが、優勢な方向のシグナルは全て拾ってしまいます。
そのため、これ1つでクロスの精度を上げるのは難しいので、上で紹介した他のテクニックと合わせて使うのがおすすめです。
補足
MT4インジケーター『ストキャスプロ』では、ストキャスティクスのクロスの出現をアラートやメール通知で知らせてくれます。
MAやボラティリティ、ボリバンでフィルタリングしてストキャスティクスのクロスの騙しを除去するフィルター機能も搭載されています。
また、設定したシグナル・フィルター・決済ルールで自動バックテストして、その手法の統計データを調べることもできます。
このインジケーターの機能について詳しく知りたい方は『【MT4】勝率表示付きインジケーター「ストキャスプロ」』をご覧ください。
GC・DCはローソク足の確定直後
ストキャスティクスは、価格の上下動に応じてリアルタイムで数値が変動します。
そのため、ローソク足形成中にクロスが発生するも、ローソク足が確定するとクロスしていないという現象が稀に発生します。
シグナルとしてGC・DCを使うなら、必ずローソク足が確定したのを確認しましょう。
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ストキャスティクスのクロスの角度に注目
最後に小ネタですが、ストキャスティクスのクロスの角度に注目してみましょう。
鋭い角度でのクロス
価格が急反転していることを意味しています。上下に乱高下するレンジ相場や、押し・戻りの浅い強いトレンド相場でよく出現します
緩やかな角度でのクロス
価格がゆったりと時間をかけて反転していることを意味しています。押し・戻りの深い緩やかなトレンドでよく出現します
手法のエントリーシグナルにストキャスティクスのクロスを使っている場合は、クロスの角度で勝率が変わるか検証してみてはどうでしょうか?
たとえば、緩やかなトレンドでの押し目買いを狙った手法を検証してみると、急角度のクロスによる買いシグナルは緩やかなクロスに比べ勝率が悪いかもしれません。
以上、ストキャスティクスのクロスの精度を上げる8つの方法を紹介しました。
これらを組み合わせて使うとより効果的です。気に入ったものがあれば、ぜひ試してみてくださいね。