この記事では、上位足のミニフラッグのブレイクアウトを下位足で仕掛けるMTF×ブレイクアウトト手法を紹介します!
1時間足や4時間足のトレンドの押し・戻しを、5分足や15分足で仕掛ける高リスクリワードレシオのトレードになります。
トレンド相場の押し・戻りで頻出のパターンなので、ブレイクアウトトレーダーの方はセットアップの1つとしてぜひ利用してみてください!
ミニフラッグとは?定義&発見方法
ミニフラッグとは、小さなフラッグパターンのことです。
具体的に、次の2つの要素で構成されています。
- トレンド方向に進行する5本以上の一連のローソク足(=ポール)
- トレンドラインに沿った、押し・戻りの調整(=ミニフラッグ)
下の1時間足チャートで実際に見てみましょう。
上昇トレンドでのミニフラッグでは、ポール部分は実体の大きな陽線で勢いよく上昇していることが大切です。
そして、フラッグ部分は下降トレンドラインに沿って、きれいに斜めに下落します。
このとき、フラッグ部分でチャネルラインを引くことができ、そのチャネル内に価格が収まっているとなお良いです。
狭いチャネル内で価格が上下動することでエネルギーが蓄積されると、ブレイクアウトでそのエネルギーが開放されて大きなトレンドにつながります。
もうひとつ例をみてみましょう。
下のチャートでは、下降トレンドにおけるミニフラッグが発生しています。
ポール部分は勢いよく下落するトレンド足が並び、フラッグ部分は上昇トレンドライン上で小さなローソク足が斜めに推移しています。
関連:移動平均線20MAを使ったMTF順張り手法!【1時間足の押し目を5分足で仕掛ける】
ボリンジャーバンドを使った、ミニフラッグの発見方法
ミニレンジの発見法と同じように、ミニフラッグも期間5のボリンジャーバンドで簡単に見つけることができます。
ボリンジャーバンドの±2σバンドは、ミニフラッグ部分で次のような形になります。
- ポール:ローソク足が±2σバンドに沿って推移する、バンドウォーク状態
- フラッグ:±2σバンドが狭い間隔を保って斜めに平行移動する、スクイーズ状態
下の2枚のチャートは、期間5のボリンジャーバンドを表示しています。
ミニフラッグでの±2σバンドの形を見てみましょう。
例1:上昇トレンドにおけるミニフラッグ
例2:下降トレンドにおけるミニフラッグ
では、このパターンを使ったトレード手法を解説します。
ミニフラッグを使ったMTFブレイクアウト手法
上位足でのミニフラッグは下位足でエントリータイミングを計りましょう!
上位足で仕掛けるのより速く仕掛けることができ、より大きな利益を獲得することができます。
この手法の手順は、次の4つです。
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1上位足でトレンドの発生を確認し、ミニフラッグ・パターンを見つける
下のチャートは、オージードル1時間足です。
高値安値を切り上げて、勢いの強い上昇トレンドを形成しています。
※ミニフラッグをローソク足のみで認識するのに慣れないうちは、ボリンジャーバンド5を表示しましょう
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2フラッグ部分にトレンドラインを引く
このラインは下位足でのブレイクアウト・エントリーで使うため、高い精度が求められます。
機能しやすいトレンドラインを引くコツは、次のとおりです。
- 上昇トレンド時:スイングハイの高値を基点に、他のローソク足の高値や終値をできるだけ通過するように引く
- 下降トレンド時:スイングローの安値を基点に、他のローソク足の安値や終値をできるだけ通過するように引く
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3下位足にチャートを切り替え、手順2で引いたトレンドラインをトレンド方向にブレイクしたらエントリー
エントリー方法は具体的に次の3つがあります(。
エントリーポイント
・ブレイクアウト1波:トレンドラインを終値で完全に抜けたとき
・ブレイクアウト2波:ブレイクアウト後の初めての押し・戻りで仕掛ける
・ブレイクアウト・プルバック:ブレイクアウト後、トレンドラインで反発したとき
ブレイクアウト1波は3つの中で、最も速く仕掛けることができますが、騙しになる確率が高いです。
確実性を重視する場合は、ブレイクアウト成功後のブレイクアウト2波やプルバックで仕掛けましょう。
また、損切水準はフラッグ最安値下に置きます。
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4利食い水準の候補は次の2つ!
このトレードは、上位足トレンドでの押し目・戻り売りポイントを下位足で仕掛ける順張りトレードでもあります。
そのため、利食い水準は上位足チャートの波動にもとづいて算出することができます。
利食い候補
- 候補1:フラッグの開始点となる高値 or 安値
- 候補2:ポールの始点・終点を基点に引いたフィボナッチエクスパンション100%
下の画像は、5分足でのエントリー後のチャートです。上位足で引いた上の2つの利食い水準を表示しています。
FE100%に価格が到達すると、買いポジションの利食いが入って上昇の勢いが失われます。
上の5分足でも、FE100%に到達後は小さな陽線で横ばいしています。
そのため、FE100%よりさらに大きく利益を伸ばすのはリスクが高いので、この水準で全ポジションを手仕舞いましょう。
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補足
※TradingViewの損益比率ツールでは、チャートの任意の水準にエントリー・利食い・損切り水準を指定して、その損益比率(リスクリワードレシオ)を調べることができます。
また、損切り幅と指定した資金量&リスク率でのロット数を自動計算してくれます。
またこのトレードは、下位足(5分足)では長期トレンドが発生するのでトレーリング戦略で利益を伸ばす戦略も有効です。
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※上のトレード手順の解説では、上位足に1時間足、下位足に5分足を使いましたが他の組み合わせでも有効です。
この手法の時間足の組み合わせ
- 上位足:4時間足や日足
下位足:15分足 - 上位足:30分足や1時間足
下位足:5分足 - 上位足:15分足や5分足
下位足:1分足