エリオット波動3波目は取れる値幅は大きく、うまくトレードすれば大きく稼げます。
しかし、トレンドの最初の押し・戻りでのトレードのため、トレンドの初動を捉える技術が必要であり難易度が高いです。
そのため、初心者の方はエリオット波動5波でのトレードがおすすめ!難しい3波ではなく5波を確実に狙うことで勝率を改善することができます。
そこでこの記事では、エリオット波動5波のトレード戦略と、1時間足と5分足を使った実践トレードを解説します。
エリオット波動5波を狙うトレード戦略
ここでは上昇トレンドでのエリオット波動で解説します。下降トレンドでも同様の戦略が使えます。
ポイント1
- 高値安値がそれぞれ前回の高値安値を上回っている1~4波をカウントし、エリオット波動5波が生じるポイントを特定する
ZigZagインジケータを使うと、エリオット波動のカウントが簡単にできます。ZigZagのパラメータは、(12,5,3)や(5,3,3)がおすすめです。
ZigZagで表示された高値安値をもとに、波動のカウントをしましょう。
また高値や安値が切り上がっていない場合、エリオット波動理論のルールでは、3波4波をカウントできないので注意してください。
※エリオット波動のカウント方法については、下記の記事も参考にしてください
・エリオット波動のカウント法【客観性99.9%の数え方】
・【MT4】エリオット波動のカウントに役立つインジケーター5選!【自動描画・目標水準算出】
ポイント2
- エリオット波動3波の上昇角度を測定し、トレンドの強さを調べる
上昇波の角度は、MT4ではツール「角度によるトレンドライン」を使って測定することができます。
角度によるトレンドラインを、3波のZigZagラインに重ねて角度を測定します。
補足
エリオット波動3波の勢いの強さから、次のように5波目の反発するフィボナッチ・リトレースメント(FR)の水準の目安がわかります。
- 3波の上昇角度:5°~30°
→ FR61.8%の深い押し目が入りやすいです。トレンドの勢いが弱いので、5波が3波の高値を超えられない可能性があります - 3波の上昇角度:30°~50°
→ FR38.2%や50%の押し目が入りやすいです。安定した上昇角度であり、5波がきれいに伸びやすい傾向があります - 3波の上昇角度:50°~65°
→ 3波は上昇の勢いが強く、FR23.6%や38.2%の浅い押し目が入りやすいです - 3波の上昇角度:65°~85°
→ 3波は急角度の強い上昇であり、FR23.6%や38.2%の浅い押し目が入りやすいです。ただし、3波が大きく急騰した場合、5波で上昇せず大きく急落しやすいので注意してください
参考:トレンドラインの角度でトレンドの強さを分析する方法&戦略 !【4つのパターンに分類】
ポイント3
- 1波の安値&3波の高値と3波の安値&3波の高値のそれぞれを基点とする、2つのフィボナッチ・リトレースメントを引き、エリオット波動5波の押し目の反転水準を探ります
下のチャートのように、2つのフィボナッチ・リトレースメントの水準が重なるゾーン(コンフルエンスエリア)は、強力なサポートラインとして機能するため、良い押し目買い水準になります。
コンフルエンスエリアでの反発上昇で、5波を狙う押し目買いを仕掛けましょう。
参考図書:ディナポリの秘数フィボナッチ売買法 ─押し・戻り分析で仕掛けから手仕舞いまでわかる
フィボナッチの引き方に関するおすすめ記事
ポイント4
- 1波と3波のうち、上昇幅が短いほうの波を基点にフィボナッチ・エクスパンション(FE)を引き、5波の利食い水準を算出する
上昇幅が1波<3波の場合
- 5波の上昇幅は、1波とほぼ同じ(FE100.0)になりやすいです
→ 1波≒5波<3波 - フィボナッチ・エクスパンションは、1波の安値・高値と4波の安値(上図の点a、b、e)の3点を基点に引きます
→ 1波のFE100.0が利食い候補です
上昇幅が3波<1波の場合
- 5波の上昇幅は、3波の上昇幅の61.8%(FE61.8)になりやすいです
- 5波は3波より出来高が少なく、トレンドの勢いが弱いので、3波と同じ長さ(FE100.0)にはなりにくいです
→5波<3波<1波 - フィボナッチ・エクスパンションは、3波の安値・高値と4波の安値(上図の点c、d、e)の3点を基点に引きます
→ 3波のFE61.8が利食い候補です
ポイント5
- 5波を狙うトレードの第1利食い水準は、3波の高値
- 第2利食い水準は、1波のFE100.0または3波のFE61.8(ポイント4参照)
5波では上昇力が衰え、3波の高値を上抜けないケースもよく見られます。
そのため、3波の高値上で全ポジションを決済するのはリスクが高いです。半分のポジションを3波の高値到達で利食いするのが安全です。
そして残りのポジションは、3波の高値上にある1波のFE100.0(or3波のFE61.8)で決済しましょう。
エリオット波動5波を狙う実践トレード解説
1時間足のエリオット波動5波を5分足で仕掛けるトレードを解説します。
1時間足のチャート分析
直近高値Aを上抜け、上昇トレンドが発生しています。
ポイント1
下降トレンドの直近高値Aを上抜けたら、上昇トレンドのエリオット波動1波をカウントします。
その後、高値安値を切り上げ、波動2波・3波・4波をカウントしました。
ポイント2&3
3波の上昇角度は58.8°です。戦略2より、5波はFR23.6%~38.2%の浅い押し目で反発上昇すると予測できます。
有力な押し目買い水準は、次の2つです。
・3波のFR23.6%
・3波のFR38.2%+1~3波のFR23.6%(コンフルエンスエリア)
ポイント4&5
上昇幅は3波<1波なので、3波の高値安値を基点にフィボナッチ・エクスパンションを引きます。
今回のトレードの利食い候補は、次の2つです。
・第1利食い:3波の高値
・第2利食い:3波のFE61.8
5分足を使った仕掛け
1時間足5波の押し目買いポイントを、5分足チャートで見てみましょう。
エントリー&損切り
3波のFR23.6%付近で下降トレンドラインが引きます。
この下降トレンドラインを上抜け、トレンドラインとキリ番111.500が重なるポイントで反発上昇したら買いを仕掛けます。
損切り注文は、キリ番111.500円の下に置きます。
補足:3波の高値について
上のチャートのように3波の高値は、レジスタンスラインとして意識されています。そのため、半分のポジションを3波の高値到達で利食います。
また、上抜けるとサポートラインに転換するため、3波の高値反発は押し目買い(買い増し)のポイントになります。