この記事では、5分足でビックトレンドが発生するセットアップを紹介します。
このセットアップが完成すると大きなトレンドが形成する確率が高く、5分足で順張りトレードを仕掛けるチャンスになります。
5分足でビックトレンドが発生するセットアップとは?
5分足でビックトレンドが発生する強力セットアップは、下のような1時間足で形成する値動きパターンになります。
- まずはじめに、1時間足チャートで高値安値が切り上がり、上昇トレンドが形成していることを確認します。
- 次に、「上昇スパイク+押し目内部での安値切り上げの小さなトレンド(インナートレンド)の発生」の値動きパターンの形成を確認します。
- そして、価格がレジスタンスライン①&②を上昇ブレイクアウトしたら、上昇トレンドが発生します。
ビックトレンドが発生する原理
メイントレンドの押し目内部に発生したインナートレンドのスイングハイ(RL①)をブレイクアウトすると、1時間足トレンドフォロー派の買い注文が入ります。
さらに、その上にあるメイントレンドのスイングハイ(RL②)をブレイクアウトすると、トレンドフォロー派のさらに大きな買い注文が入ります。
この2つの連続した買い注文と、直前の2つの押し目買い(メイントレンドの押し目とインナートレンドの押し目)の合計4つの1時間足トレーダーによる買い注文で、5分足で大きな上昇トレンドが生まれやすいです。
下降トレンドの例も見てみましょう。下のチャートはユーロ円1時間足です。
高値圏で形成したディセンディングトライアングルパターンのブレイクアウトで下降トレンドが発生しています。
四角で囲まれたポイントで、今回紹介する値動きパターン(下降スパイク+押し目内部での高値切り下げの小さな下降トレンド)の形成が確認できます。
サポートライン①と②のブレイクアウトが成功したら、5分足で大きな下降トレンドが発生する可能性が高いです。
このポイントを5分足で詳しく見てみましょう。
5分足の陰線終値でサポートラインをブレイクアウトしたら、戻り売りを仕掛けるチャンスです。
※押し目買い・戻り売りの仕掛け方法については、よければ次の記事を参考にしてください。
※注意点として、このセットアップが完成しても100%トレンドが発生しません。
そのため、このセットアップ完成で発生したトレンドで順張りを仕掛ける場合、トレンド失敗の逆行による損失を最小限に抑えるために必ず損切り注文をおいてください。
また目安として、デイリー・ピボットポイントS3に到達すると、このビックトレンドは終了することが多いです。
セットアップの4つの注意点!
注意点1
次のチャートのように、ミクロトレンドのスイングロー(SL①)がメイン下降トレンドのスイングロー(SL②)を下回る場合は、下降トレンド時のセットアップは無効です。
ミクロトレンドがSL②を下回ったことで、メイントレンドのスイングローがSL①に更新され、その結果SL②はトレンド継続の重要水準として無効になり、この水準のブレイクアウトでは1時間足トレンドフォロー派の売り注文が入りません。
そのため、ブレイクアウトが成功しても大きなトレンドにつながる可能性が低くなります。
注意点2
ニューヨーク市場後半の時間帯(24時~翌6時)は取引量が薄くなるため、この時間帯にブレイクアウトしトレンドが発生した場合、トレンドが継続しにくいので注意してください。
ブレイクアウト成功後、トレンドが大きく継続しやすいのは午前中やヨーロッパ市場前半でブレイクアウトしたときです。
この場合は、ユーロ時間やニューヨーク時間の順張り勢の参入により、1日を通して大きなトレンドが発生しやすいです。(トレンドデイ)
注意点3
ボラティリティが低い傾向にある月曜日はトレンドが発生しても伸びにくい傾向があります。
逆に、ボラティリティが高い傾向にある火曜日~木曜日はこのセットアップの完成で大きなトレンドが発生しやすいです。
また、金曜日の夜(ニューヨーク時間)は相場の流動性が低下し、トレンドが継続しにくい環境になります。
土日に大きなニュースや地政学的リスクの高まり(戦争、テロ、財政破綻など)が発生すると、週明けは大きな窓が発生して相場が急変する危険性があります。
そのため、金曜日の夜を迎えると市場参加者はポジションを翌週に持ち越しするのを避けるためにポジションを決済し、その結果ニューヨーク時間ではそれまでの相場の流れに逆行する動きをみせます。
注意点4
4時間足や日足が1時間足のトレンド方向と逆行している場合は、ブレイクアウトが成功してもトレンドが伸びにくいので注意してください。
たとえば、下の画像は左から順にポンド円1時間足、4時間足、日足を表示しています。
1時間足と4時間足は下降トレンドを形成していますが、日足は長期上昇トレンドを形成しています。
1時間足セットアップのすぐ下に日足上昇トレンドラインがあり、ブレイクアウトして下降トレンドが発生してもこのトレンドラインにぶつかり、下降トレンドが終了して反転上昇しました。
応用パターン例を4つ紹介!
最後に、このセットアップの応用パターン例を4つ紹介します!
例1
1つ目では、押し目内部でインナートレンドに加えて、ヘッド&ショルダーズボトムを形成しています。
インナートレンドのスイングハイは、ヘッド&ショルダーズボトムのネックラインと重なり、この水準の上抜けではヘッド&ショルダーズボトム完成による逆張り買い注文も入ります。
5分足では、この隣接する2つのレジスタンスライン間で少しもみあいましたが、上昇ブレイクアウトが成功し、ヘッド&ショルダーズボトムのターゲット水準へ向かって大きく上昇しました。
例2
2つ目では、大きなシンメトリカルトライアングル内部でこのセットアップが発生しています。
インナー上昇トレンドのスイングハイのブレイクアウト直後に、シンメトリカルトライアングルの上昇ブレイクアウトも発生しており、そのため今回のケースでは順張りトレーダーの買い注文に加え、ブレイクアウトトレーダーの買い注文も入ります。
また、4時間足でもこのセットアップ(押し目内部にヘッド&ショルダーズボトムを含む)が発生しており、4時間足の順張りトレーダーの買い注文も上昇トレンドを後押しします。
下のチャートは、このポイントの5分足です。
メイントレンドのスイングハイの上抜けでは、長大陽線が3本連続で発生しており、買い圧力の強さが窺えます。
初押し目でのカウンタートレンドラインのブレイクアウトが買いの仕掛けチャンスです。
例3
3つ目は、インナートレンドでフラッグパターンを形成しており、スイングハイの上抜け直前にフラッグのブレイクアウトが発生しています。
上昇トレンドのターゲット水準は、フラッグポールの上昇幅をフラッグ安値から足した水準です。
このようにセットアップの完成前後にチャートパターンのブレイクアウトが発生したり、4時間足や日足のセットアップも同時に完成するケースでは、トレンドのインパクトが大きくなります。
関連:【上位足のトレンドに乗る!】1時間足ミニフラッグを5分足で仕掛けるMTF×ブレイクアウト手法!
例4
次のチャートでは、大きなセットアップ内部に、中規模のセットアップが形成され、さらにその内部に小さなセットアップが形成しているフラクタルな構造になっています。
さらにこの3つのセットアップ全体でトライアングルパターンを形成しており、3つのセットアップの完成&トライアングルのブレイクアウト成功で大きなトレンドの発生が期待できます。