トレンドフォロー手法で大切なことは、トレンドの波に乗ることです。
トレンドを掴むことが、トレンドフォロー(押し目買い・戻り売り)で勝率を上げる最大のポイントです。
トレンドフォローの勝率を上げようと、エントリータイミングのルールを複雑にするのは逆効果!
複雑なルールだと、トレンド発生時にうまくエントリーできずにチャンスを逃す可能性が高いです。
そのため、トレンドフォロー手法で大切なのは、「シンプル」であることです。
この記事では、ボリンジャーバンドとストキャスティクスを組み合わせたシンプルなトレンドフォロー手法を紹介します。
シンプルな手法の作り方の例としてぜひ参考にしてください!
関連:【MT4】ストキャスティクスのインジケーター12選!【アラート・矢印・MTF】
シンプルイズベスト!押し目買い手法のルールを紹介!
ボリンジャーバンドとストキャスティクスを使った押し目買い手法のルールを紹介します。
※パラメーターは、20期間ボリンジャーバンド、ストキャスティクス(5.3.3)を使用しています。
買いのルール
- 上昇トレンドの発見:ボリンジャーバンドの中心線(20期間単純移動平均線)が上向き上昇 + 価格が中心線より上で推移
- エントリー:上昇トレンド発生中、20SMAで価格が下げ止まって反発上昇し、ストキャスティクスのゴールデンクロスで買いエントリー
- 利食い:価格が+3σバンドに到達したら利食い
- 損切り:ローソク足が中心線を完全に下抜けたら損切り
それぞれのルールについて順に解説していきます。
ルール1:上昇トレンドの定義
ボリンジャーバンドの中心線(20SMA)が上向き上昇し、ローソク足が20SMAより上で推移していたら上昇トレンド発生中と判定します。
関連:5分足で大きなトレンドが発生する、強力セットアップ条件は?
チャートを使って、実際に上昇トレンドを見てみましょう。
上昇トレンドでは、ボリンジャーバンドの+2σバンドに沿って価格が上昇しています。
20SMAを価格が下回ったら、上昇トレンドは一旦終了です。
トレンド転換やもみあい相場へ移行するため、上昇トレンドが再開するまで押し目買いは控えましょう。
補足
上の相場のように、トレンド発生前にレンジ相場でしっかりもみ合ってエネルギーを貯めているとき、トレンドが大きく伸びやすいです。
また、トレンドラインとレンジのブレイクアウトが重なっている(ダブルブレイクアウト)場合、勢いの強いトレンドが発生しやすいです。
※ちなみに今回の相場ではボリンジャーバンドの高値ラインのブレイクアウトで仕掛けることもできます。
詳しくは→ 【バンドの山を使う!】ボリンジャーバンドを使ったブレイクアウト手法を大公開!
ルール2:エントリー
上昇トレンド発生中、20SMA上で価格が下げ止まり反発上昇し、直後にストキャスティクスのゴールデンクロスが発生したら買いで仕掛けます。
ストキャスティクスのゴールデンクロス・デッドクロスは客観的なエントリーシグナルとして重宝します!
「エントリーのタイミングがいつもバラバラで、一貫性のあるタイミングで仕掛けたい!」と悩んでいる方におすすめのテクニカル指標です。
関連:押し目買いのエントリータイミングを見極めるパターン7選!
では、押し目買いのエントリーポイントをチャートで実際に見てみましょう。
4つの押し目買いポイントについて順に解説します。
ポイントA
シンメトリカル・トライアングルのブレイクアウト2波でのエントリーでもあります。
上昇する勢いが強いので、大きく利を伸ばすことが可能です。
ポイントB
すぐ上にキリ番(1.13500)のレジスタンスラインがあります。
強いレジスタンスラインがすぐ上にあるとき、売り圧力が高く上値が重いので、押し目買いが失敗しやすいです。
『FXで押し目買いを仕掛けてはいけないタイミング9選!』でも解説していますが、押し目買いには勝率の高いポイントと勝率の低いポイントがあります。
低勝率のポイントでのエントリーを避けるスキルを身につければ、勝率を上げることができますよ!
ポイントC
キリ番(1.13500)のレジスタンスラインをブレイクアウト直後の押し目買いポイントです。
レジスタンスラインが上抜けると、売り勢力が一時的に撤退し上昇の勢いが強まるため、優位性の高い押し目買いポイントになります。
ポイントD
きれいに中心線で下げ止まり、反発上昇しています。上方に価格の上昇を妨げるレジスタンスラインがない、良い押し目買いポイントです。
損切りになりましたが、良い負けトレードです。
トレンドの終わりは誰にも予測できないので、Bのような懸念材料がない押し目買いポイントでは迷わずエントリーして、失敗すれば素早く損切りをするだけです。
※ストキャスティクスのクロスに注目することで、エントリー精度を上げることもできます。
詳しくは、『騙しを回避!ストキャスティクスのクロス(GC・DC)の精度を上げる8つの方法』をご覧ください
ルール3:利食い
価格が+3σバンドに到達したら、このタイミングで利益確定します。
理論上、ボリンジャーバンドの±3σバンドに価格が収まる確率は、約99.7%です。
そのため、上昇トレンドで価格が+3σに到達すると、反転する可能性が高いのでここで利食いをするのが安全です。
※+3σバンドタッチでの利食いは、利を伸ばす戦略です。利益を早めに確定したい場合は、+2σタッチでポジションの半分を決済する戦略をとることもできます。
部分決済ルール
- 第1ターゲット:+2σバンド到達で半分利食い
- 第2ターゲット:+3σバンド到達で残りのポジションを利食い
ただし、ブレイクアウトによる上昇では+3σに価格がタッチしても、そのまま反転することなくさらに上昇することが多いです。
そのため、ブレイクアウトトレードでは、3σバンドはポジションの決済ポイントとしては不向きです。
※ボリンジャーバンドの±2.5σバンドや±3σバンドを使って、ポジションの含み益を伸ばす戦略も有効です
詳しくは→ 【FX】実践的なトレーリングストップ戦略を8つ紹介!【長所&短所】
関連:【期待値UP】5分足順張り手法の損益比率(リスクリワードレシオ)を上げる5つの戦略!|note
ルール4:損切り
ローソク足終値で20SMAを下抜けたらポジションを損切りします。
20SMAは、中期トレンドの方向を示します。
そのため、上昇トレンド時に価格が中心線を下抜けると上昇トレンドが一旦終了し、調整局面や下降トレンドに移行します。
このように、エントリー根拠が失われるポイントで損切りするのがオススメです。
関連:MTFボリンジャーバンドの見方&エントリーポイントを解説
フィルターを加えて、勝率を上げよう!
トレンドフォロー手法では、フィルターを加えることで勝率を改善することができます。
ここではフィルターの例として、200期間の長期移動平均線を紹介します。
長期移動平均線のフィルターは、「タートル流投資の魔術」のドンチアン・チャネル・ブレイクアウトでも紹介されているので参考にしてください。
トレンドフィルターのルール
- 中心線(20移動平均線)が200移動平均線を上回っていれば、買いエントリーのみOK。売りは仕掛けてはいけない。
- 同様に、中心線が200移動平均線を下回っていれば、売りエントリーのみOK。買いは仕掛けてはいけない。
このフィルターの役割は、相場が長期のトレンド方向と一致しているかを調べ、適さない相場を除外することです。
長期のトレンドと逆行する、短期的なトレンドでのトレードを避けることで、低勝率での仕掛けを回避することができます。
関連:2本の移動平均線(20&50EMA)を使った、押し目買いエントリーパターンを大公開!
シンプルなトレード手法を構築したいあなたにおすすめしたい本
この本ではボリンジャーバンドを利用したシンプルなトレード手法が紹介されています。
もちろんここで紹介されている手法だけでは勝てませんが、環境認識やMTF分析、エントリー、利食い、損切りのシンプルなルールが複数解説されており、シンプルなトレード手法を作るうえで参考になります。
勝っているトレーダーの手法は、想像以上にシンプルです。興味のある方はぜひ読んでみてはどうでしょうか?