この記事では、多くの市場参加者が注目し、レジサポラインとして機能しやすいフィボナッチリトレースメントの引き方を6つ紹介します。
フィボナッチリトレースメントをトレードに活用している方は、ぜひ参考にしてください!
目次
1.非常に長いヒゲは、フィボナッチの基点として利用されやすい
ローソク足実体の大きさの平均を超える長いヒゲは、他の高値安値と比べて目立つため、そのヒゲの高値安値を基点にフィボナッチが引かれやすいです。
特に、下のポンドドル1時間足チャートのように、長い上ヒゲと下ヒゲをもつローソク足が近くにある場合、その2つのヒゲを始点・終点に引いたフィボナッチは長期にわたりレジサポラインとして機能しやすいです。
次の30分足では、非常に長いヒゲが3本隣接しており、これらのヒゲを起点に2つのフィボナッチリトレースメントを引いています。
こちらも長期にわたりこの水準で価格が反発を繰り返していますが、特に2つのフィボナッチが重なっている水準や隣接しているゾーンは、強力なレジサポライン(帯)として機能しています。
2.トレンドラインの始点で引いたフィボナッチは、トレンド転換後の押し・戻し水準
トレンドラインの始点である高値/安値は、同時にフィボナッチリトレースメントの始点として活用されやすいです。
たとえば下のキウイ円1時間足では、下降トレンドのスイングハイ3点を起点に下降トレンドラインを引いています。
この場合、トレンドラインの始点(高値A)を始点に、下降トレンドの最安値を終点にフィボナッチリトレースメントを引きます。
このフィボナッチはトレンドラインをブレイクアウトして上昇トレンドへ転換した相場における、押し目買いが入る水準やトレンドが反転して調整下落へ移行する水準として機能します。
※トレンドラインは基点の数が多いほど注目度が高く、同時にその始点で引いたフィボナッチも精度が高まります。
ちなみに、下降トレンド相場直前に発生した下窓を埋める急騰で非常に長い上ヒゲ&下ヒゲが発生しており、「1.非常に長いヒゲを基点としたフィボナッチ」が引けます。
この2つのフィボナッチ38.2%が重なる水準は、非常に強いレジサポラインとして機能し、絶好の押し目買い水準になります。
次のユーロドル30分足チャートのように、チャネルの開始点もフィボナッチの始点として注目され、チャネルブレイクアウト後の戻し高値をつける水準の候補になります。(フィボナッチの終点はチャネル内でつけた最高値)
プルバック時のフィボナッチ38.2%や、その後の下落時のフィボナッチ61.8%・76.4%で反転下落しており、ここが戻し売りを仕掛けるタイミングです。
補足:その後の相場
その後、上で引いたフィボナッチ61.8%水準を下抜け、下降トレンドが継続しました。
この下降トレンドは、チャネル直前に発生した「6.急騰の高値安値を起点に引いたフィボナッチ」38.2%水準到達で終了し、トレンド転換しました。
このとき下降トレンドラインが引けるので、この始点と最安値を起点にフィボナッチを新たに引き、この水準で反発上昇したら押し目買いを狙います。
3.前回トレンドの最高値/最安値
前回トレンドの最高値/最安値を起点に引いたフィボナッチリトレースメントも、トレンド転換後の押し・戻し水準の候補になります。
上のオージー円1時間足では、下降トレンド相場の最高値を始点に、最安値を終点にフィボナッチを引いています。
上昇トレンドに転換後、このフィボナッチ水準で反発上昇を繰り返し大きく上昇しました。
注意すべきケースとして、次のオージードル1時間足のように、前回上昇トレンドの最高値/最安値を起点に引いたフィボナッチリトレースメントの61.8%水準を価格が下抜けない場合、この下落は下降トレンドではなく上昇トレンド途中の深い押し(調整下落)であり、フィボナッチ61.8%で反転上昇して上昇トレンドが再開します。
※客観的に引けるフィボナッチの引き方は、『【FX】フィボナッチリトレースメントの引き方マスター講座【場面別や客観性100%の引き方も】』で解説しているのでよければこちらも参考にしてください
4.埋まらない窓のフィボナッチは強力なレジサポライン!
大きな窓が発生して埋まらない場合、その窓の開始点(前日終値)と終了点(今日の始値)を起点としたフィボナッチリトレースメントは注目度が高い水準になります。
たとえば下のオージー円1時間足では、上窓が開いたので前日終値を始点に、今日の始値を終点にフィボナッチを引きました。
窓が埋まらない限り、フィボナッチ水準は強力なサポートラインとして長期的に機能します。
次のチャートのように、下窓が埋まらない時点ではフィボナッチ水準はレジスタンスラインとして機能し、窓が埋まると強力なサポートラインに役割が転換します。
また、窓を起点としたフィボナッチは上位足(30分足~4時間足)のレジサポラインとして機能するだけでなく、当日や翌日の日中足(1分足~15分足)のレジサポラインとしても注目されています。
※TradingViewでは、フィボナッチリトレースメントの他にも、フィボナッチファン、フィボナッチアーク、フィボナッチサークルなど、10個のフィボナッチツールが無料で使えるのでぜひお試しください!
5.前の市場の最高値/最安値は、当日のレジサポライン
たとえば下のオージードル5分足では、前日ニューヨーク時間の最高値/最安値で引いたフィボナッチは、翌日のアセアニア時間、東京時間、ヨーロッパ時間でレジサポラインとして機能します。
関連:【FX】ニューヨーク時間の特徴6選!【順張りで仕掛けたい4つのパターン】
他にも、今日のアセアニア~東京時間の最高値/最安値で引いたフィボナッチは、次のヨーロッパ時間やニューヨーク時間でレジサポラインとして機能します。
6.スパイク(急騰・急落)の高値安値
下のユーロ円30分足では、下降フラッグのブレイクアウトで急落しました。
このスパイクは多くの市場参加者の目を引く値動きであり、このスパイクの開始点と終了点を起点に引いたフィボナッチは、61.8%水準上抜け後も機能し続けます。
また、急騰・急落の連続で作るV字・逆V字パターンの高値安値もフィボナッチリトレースメントが引かれやすいです。
下のチャートでは、V字パターンが発生していますが、今回のケースでは下落スパイクより上昇スパイクの方が値幅が広いので、上昇スパイクの安値&高値を起点にフィボナッチを引いています。