エリオット波動のカウントに役立つインジケーター「エリオット波動オシレーター(EWO)」をご存知ですか?
EWOは、エリオット波動の各波の発生・終了のタイミングを捉えるために開発されたインジケーターです。
今回は、このEWOを使ったエリオット波動のカウント法(数え方)を紹介します!一貫性&客観的にエリオット波動をカウントしたい方はぜひ参考にしてください!
EWOを使ったエリオット波動のカウント方法
エリオット波動オシレーター(EWO)は、エリオット波動(EW)のカウントの補助として利用できます。
EWOの基本的知識については、「エリオット波動オシレーターの使い方&見方」で解説しているのでこちらも参考にしてください。
ここでは上昇トレンドで解説しますが、下降トレンドでも同じ考え方でカウントできます。
EW1波の発見
負の領域にあったEWOが0レベルを上抜けて上昇し、1つ目の極大値(山)を形成したら、そのスイング波をエリオット波動1波とカウントします。
上のチャートでは、エリオット波動オシレーターにSMA(期間5)を表示しています。EWOと5SMAがデッドクロスしたら、1つ目の山が確定です。
EW2波のカウント
エリオット波動2波では、価格が調整下落し、EWOも減少します。EWOと5SMAがゴールデンクロスしたら、2波目が完成です。
EW2波はEW1波のスイングを起点とするフィボナッチリトレースメントで反発する傾向があります。上のチャートでも、38.2%の水準で反発上昇し、EW3波に移行しています。
1つ注意点として、EW2波はEW1波の開始点となる安値を下回ってはいけません。もし、EW2波の安値がEW1波の開始点を下回ったら、カウントをリセットします。
上のチャートでは、上昇トレンドのEW1波が発生するも、EW2波が1波の安値を更新し、カウントがリセットされています。
そして、この極小値(谷)は「下降トレンドのEW1波」としてカウントし直されます。
EW3波のカウント
EWOの最高点(最も高い山)がエリオット波動3波になります。このとき、価格もEW1の高値を超えて最高値を更新していることを確認しましょう。
EW2波後の、EWOと5SMAのゴールデンクロス近くの安値が3波の開始点、デッドクロスの近くの高値が3波の終点になります。
例外
EWOの2つ目の山が1つ目の山より低い場合は、この時点で3波目は終了していません。この高値は3波目の途中にある高値にすぎません。
次の3つ目のEWOの山が最高点を形成しており、このタイミングでEW3波が完成です。
EW4波の特定
EW3波後の谷がエリオット波動4波にあたります。
EW4波はEW2波に比べて押し目が深くなりやすいので、4波のEWOの谷は2波のより低くなる傾向があります。
EWOと5SMAのゴールデンクロスは、エリオット波動5波を狙った押し目買いのエントリーシグナルです。
また、エリオット波動4波のEWOは0ラインを下抜けて、負の領域で谷を形成するケースもあります。
EW5波のカウント
エリオット波動5波では、価格は新高値を更新しますが、EWOは3波の極大値より高くありません。
つまり、価格とEWOの間でダイバージェンスが発生したら、EW5波が完成したとみなします。
上のチャートでは、EW5の山の手前にもうひとつ山がありますが、価格が高値を更新していないのでEW5の山ではありません。
これはEW4を構成するabc調整波のb波です。
そして、5波が完了すると上昇トレンドは終わり、逆方向のトレンドまたはABC波が始まります。
例外:3波の拡張
3つ目の山が2つ目より高い場合は、これは5波ではなく延長した3波(エクステンション波)としてカウントします。
このとき、延長した3波は小さな1~5波の波で構成されています。
例外2:5波の拡張
上で解説したようにEWOでは、エリオット波動1~5波は基本3つの山で構成されます。しかし例外として、5波が拡張(エクステンション)した場合は5波のEWOは複数の山で構成されます。
推進5波後の2つのパターン
エリオット波動5波の上昇が終わると、主に次の2つの波動パターンが発生します。
- abc波による調整下落
- 逆方向の推進5波
順に見ていきましょう。
abc波
上のチャートでは5波による上昇後、abc波による調整下落が発生しています。
c波は、5つの上昇波の最高値&最安値を起点に引いたフィボナッチ38.2%で下げ止まり、その後上昇を再開し、再び上昇の推進5波を形成しました。
このとき、EWOは負の領域で3つの谷を形成しています。c波後の買いを仕掛けるタイミングは次の2つです。
- 3つ目の切り上がった谷の発生時
- EWOが0ラインを超えたとき (=5SMAと35SMAのゴールデンクロス)
ちなみに、c波のEWOの谷はa波の谷よりも低いです。3波を特定するのと同じ考えですね。
逆方向の推進5波
上昇5波動の後、トレンド転換して推進5波の下降トレンドが発生しています。
今回は3つ目の波の安値がフィボナッチ61.8%を下抜けているため、これはc波でなく3波と考えられます。
3波とc波の見分け方
- 3波:3つ目の波の安値が61.8%の下にある
- c波:3つ目の波の安値が61.8%の上にある
※1つ前の安値Zは3波の終点となる安値ではありません。なぜなら、EWOの谷は1波の谷より高いため、この時点ではまだ3波は完成していません。
その次の安値は、対応するEWOの谷が最も低く、3波の安値になります。
そしてその後、レンジの一種「拡大型トランアングル」へと相場は移行しました。上のチャートを見てもらうとわかるように、レンジ・もみ合い相場では、EWOは正・負の領域を交互に行き来する特徴があります。
エリオット波動3波・5波の目標到達地点を表示するMT4インジケーターの紹介!
相場の原理原則インジケーターは、エリオット波動の基点(=1波の始点)をワンクリックするだけで、エリオット波動の1~5波のラインと3波&5波の予想到達地点をチャートに自動描画してくれます。
他にも、次の3つの機能が搭載されており、トレンド相場における利食い水準の算出やシナリオ作成に役立つツールとして役立ちます!
- エリオット波動1波や3波を起点にフィボナッチリトレースメントを描画
- フラッグやペナントの目標水準を算出表示
- 現時点でのリスクリワードレシオや設定したロット数での推定損失:推定利益、設定した最大許容リスクのロットを計算表示
EWOで見る!エリオット波動のフラクタル構造
最後に、エリオット波動のフラクタル構造を見てみましょう。
上の波動は、大きなスケールでの推進5波です。EWOの一連の山の集合体が、それぞれ1波・3波・4波・5波に対応しています。
各波をEWOで細かく見てみると、それぞれ小さなエリオット波動で構成されてることがわかります。
波のフラクタル構造
・1波:上昇5波
・2波:abc波
・3波:上昇5波
・4波:下降5波
・5波:上昇5波