この記事では、チャートパターンの1つ『スパイク&チャネル』について解説します。
FX相場において、どの時間足でも頻出する重要チャートパターンであり、特にトレンドのクライマックスに出現するパターンの1つなので、仕掛けのセットアップや環境認識のツールとしてぜひご利用ください!
目次
【FX】スパイク&チャネルとは?
スパイク&チャネルは、次の2つの値動きが連続発生して形成されます。
- トレンド方向の急上昇・急落(=スパイク)
- トレンド方向に進むチャネル(ウエッジでも可)
トレンドは、基本的に狭いチャネルの中で推移することもある。その中にはプルバックの足があることも多く、トレンドラインがブレイクされる前に仕掛けたカウンタートレンド派を落とし穴に落とす。
彼らは、このトレンドに強いトレンド足がほとんどなく、足が重なり合っていてヒゲも長く、プルバックの足も多いことを見て弱いトレンドだと判断したのである。
一見弱いトレンドに見えますが、トレンドラインがブレイクされることなく一方向にゆっくりと動いており、強力なトレンドパターンの1つになります。
下のチャートでは、スパイク&ウェッジが発生しています。
ウェッジを下抜けると上昇トレンドが終了し、下降トレンドへ転換しています。
特徴は次の4つです。
スパイク&チャネルの特徴
- チャネルブレイクアウト後の到達目標水準はチャネル開始水準
- フィボナッチエクスパンションがチャネルの最終到達水準
- オーバーシュートは逆張りシグナル!
- チャネル開始水準はトレンド継続 or トレンド転換の分水嶺
順に詳しく見ていきましょう!
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特徴1:チャネルブレイクアウト後の到達目標水準はチャネル開始水準
スパイク&チャネルは、チャネルをトレンドと反対方向にブレイクアウトすると、価格はチャネル開始水準を試す動きが見られ、その後の動きはトレンド相場で出現する位置によって異なります。
スパイク&チャネル後の相場展開
- トレンド初期~中期に発生:トレンド継続
- トレンド後期に発生:レンジ移行 or トレンド転換
上の上昇トレンドでは、3つのスパイク&チャネルが発生しています。
1つ目
トレンド初期に発生したスパイク&チャネルでは、チャネルを下方向にブレイクアウトせず、上方向にブレイクアウトしてトレンドが継続する傾向があります。
このようなチャネルをトレンド方向にブレイクアウトすることは稀であり、特にブレイクアウト1波で起きやすい動きです。
2つ目
2つ目はトレンド中期で発生したスパイク&チャネルで、チャネルラインをトレンド方向にブレイクアウトするも失敗してチャネルを下抜け、下ヒゲでチャネル開始水準を試す動きが入っています。
その後、反転上昇してトレンドが再開しました。
このように、ブレイクアウト1波やエリオット波動1波以降のトレンド中期でのスパイク&チャネルは、トレンド方向のブレイクアウトが継続するほどのパワーがなく、いったんチャネル開始水準を試したのち、トレンドが再開する傾向があります。
3つ目
3つ目はトレンドの後半、バイイングクライマックスで発生したスパイク&チャネルで、3プッシュ後にチャネルを下降ブレイクアウトし、さらにチャネル開始水準を下抜け&反発下落して下降トレンドへ転換しました。
また、市場に動きが発生しにくい東京市場やニューヨーク市場後半(24時~6時)にチャネルをブレイクアウトした場合、トレンド転換せずチャネル開始点付近で横ばい相場になることがよく見られます。
例:ユーロ市場後半~ニューヨーク市場前半でスパイク&上昇チャネルを形成し、その後動きのない横ばい相場
特徴2:フィボナッチエクスパンションがチャネルの最終到達水準
一般的に、スパイク&チャネルのチャネルは、スパイクのフィボナッチリトレースメント23.6%水準で浅い押しが入りチャネルが開始することが多いです。
そのため、スパイクの押し・戻しがフィボナッチリトレースメント23.6%水準で入る場合は、チャネルを形成する可能性があることに注意してください。
また、前回スイング波のフィボナッチエクスパンション100%水準がチャネルの最終到達点になりやすいです。
この水準に到達すると、買いポジションの利食い売りや逆張り売りの需要が高まり、上値が重くなって上昇の勢いが衰え、チャネルが終了し逆方向にブレイクアウトします。
カウンタートレンド方向の仕掛けを探すのはチャネルをブレイクしたあとで、そうなればカウンタートレンド方向の動きがチャネルの始まりを試すほど大きな動きになる可能性が高い。
また、チャネル開始水準を超えると、スパイク開始水準を試す動きが入ることもあります。
特徴3:オーバーシュートは逆張りシグナル!
特徴1で解説しましたが、チャネルのトレンド方向のブレイクアウトは、トレンドやブレイクアウト初期以外では騙しになる確率が高く、ブレイクアウト失敗によるオーバーシュートを狙った逆張りが有効です。
トレンド方向へのブレイクアウトが失敗すると、反対方向にチャネルをブレイクするので、チャネル開始水準に価格が到達したら利益確定します。
トレンドの方向にブレイクアウトした場合、ブレイクアウトは足が5本以内で失敗するのが普通で、そのあと市場は反転する。
特にチャネルは、3回目のプッシュで終わることが多い。
特徴4:チャネル開始水準はトレンド継続 or トレンド転換の分水嶺
チャネル開始水準は、トレンド継続 or トレンド転換の分水嶺です。
下のチャートでは、チャネルのブレイクアウトでチャネル開始水準を下抜けると 下降トレンドへ転換しました。
この下降トレンドはスパイク安値を目指して下落します。
スパイク安値とチャネル高値を起点に引いたフィボナッチリトレースメント38.2%・50%・61.8%は下降トレンドのレジサポラインとして機能します。