今回は、テクニカル分析の天才 ウィリアム・D・ギャンが愛用した、5つのテクニカル水準を紹介します。
このギャンラインは、次の特徴があります。
GLの特徴
- 株だけでなく、FXやCFD相場でも使えて、汎用性が高い!
- 最高値・最安値をベースに算出したラインなので、誰でも簡単に一貫して引ける
- 週足~日足レベルの強力なレジサポラインとして機能する
- スイングトレーダーだけでなく、デイトレーダーも注目!
では、1つ1つ順に解説していきます。
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GL1|ギャン理論における重要テクニカル水準
ギャンライン-1(GL1)は、ギャンが最も重要視した水準です。
GL1 = 過去1年間の最高値 ÷ 2
最高値は、直近の過去1年間での最高値を使います。
たとえば、過去1年間の最高値が2500円であれば、1250円の水準がGL1になります。
下のチャートは、富士通の日足です。
2015年4月9日に最高値8694.0円をつけました。その半値4347.0円がGL1の水準になります。
上のオレンジ枠のポイントを2時間足チャートで詳しく見てみましょう。
価格がGL1の下で何度も反発しており、この水準は強力なレジスタンスラインとして、価格が上昇するのを妨げる壁となっています。
GL1の水準の存在を知らないと、上値の重いGL1下で買いを仕掛けて負け続けることになります。
また、GL1はトレンドの終着点となることがあります。
下のチャートでは、価格がGL1に到達すると下降トレンドが終了し、上昇トレンドに転換しました。
このように、価格がGL1に到達したら、トレンドがさらに継続するかどうか、慎重に見極める必要があります。
ギャンライン-2
GL2は、フィボナッチ・リトレースメント50%と同じ水準で、2番目に重要なラインです。
GL2 =(過去1年間の最高値 + 過去1年間の最安値) ÷ 2
たとえば、最高値が1500円で最安値が700円のとき、GL2=1100円になります。
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下のチャートは、ドル円の日足でGL2を表示しています。
最高値が101.452円、最安値が87.122円なので、GL2は94.287円です。
※GL2を表示したい場合は、わざわざ計算する必要はありません。
下のように、直近1年間の最高値と最安値を基点にフィボナッチ・リトレースメントを引けば簡単に表示できます。
GL2を使った、5分足逆張りトレード
ギャンラインは、5分足で逆張りを仕掛けるのに利用できます。
上の4時間足チャートの青枠を5分足で見てみましょう。GL2がレジスタンスラインとして機能しています。
このとき、GL2とトレンドラインが重なるポイントが、逆張りを仕掛けるポイントになります。
ギャンライン-3
GL3は、上昇トレンドが発生したときに活躍する水準です。
GL3 = 過去1年間での最安値 × 2
たとえば、最安値が134円の場合、GL3は268円の水準です。
この水準はGL1のように、トレンドの最終到達点になることがあります。
上のチャートは、ナスダック総合指数の週足です。上昇トレンドの終盤でGL3にぶつかり、上昇が止まっています。
トレンドフォローの買いポジションを保有しているなら、GL3で利益確定しましょう。
また、上昇トレンドの初期~中盤でGL3に到達した場合、GL3は終着点とならず突破されやすいです。
ブレイク後、GL3はサポートラインに転換します。ここでの反発は、押し目買いの仕掛けポイントです。
ギャンライン-4
GL4は、過去1年間の最高値~最安値間の下から4分の1の水準です。
GL4 = 最安値 + ( 最高値 ー 最安値 ) ÷ 4
GL4は、GL2と隣接することが多いです。そのため、GL2を引く場合、GL4も同時に引きましょう。
たとえば、最高値が800円で最安値が300円のとき、300+(800-300)÷4=425円がGL4の水準になります。
GL4は、下降トレンドでGL2を突破したときの次の目標水準になります。
また、GL2とGL4が隣接しているとき、そのゾーン内では価格が上下動し、レンジ相場を形成することがあります。
ギャンライン-5
GL1とGL2の水準が離れているとき、その中間の水準(=GL5)がレジサポラインとして機能します。
GL5 =( GL1の水準 + GL2の水準)÷2
たとえば、GL1が1500円でGL2が800円のとき、GL5=1150円です。
GL5は他のギャンラインに比べ、重要度が低いです。
そのため、トレンドの転換点にはなりにくく、一時的な反転ポイントになりやすいです。
ギャンラインのまとめ
ギャンの5つの重要テクニカル水準
- GL1=1年間の最高値の50%
- GL2=1年間の最高値と最安値の中間
- GL3=1年間の最安値×2
- GL4=1年間の最安値+(最高値ー最安値)÷4
- GL5=GL1とGL2の中間
重要ポイントまとめ
重要ポイント
- GL1とGL3は、トレンドの終着点の候補
- トレンドでGL2を突破したとき、GL4が次の目標水準
- 2本のギャンラインが重なるとき、強力なレジサポラインとなる
- あるいは隣接する場合は、その間の価格帯でレンジ相場を形成しやすい