この記事では、コナーズRSIについて解説します。
これはオシレーター指標のひとつで、RSI・騰落数・ROCの3つを組み合わせて相場の過熱感を測定します。
目次
- コナーズRSIとは?
- コナーズRSIの見方&使い方
・相場の過熱感を測定
・ダイバージェンス
・RSIのシグナルフィルター - コナーズRSIのMT4・MT5インジケーターの紹介
コナーズRSIとは?
コナーズRSI(C-RSI)は、ローレンス・A・コナーズ氏によって開発されたテクニカル指標で、次の3つの指標を組み合わせたものです。
- RSI:価格の勢い
- 騰落数:上昇/下降の連続日数
- ROC:価格の変化率
これら3つのオシレーター指標で、相場の買われすぎ・売られすぎを複合的に評価します。
コナーズRSIは、次のように3つの押しレーターの平均値になります。
計算式
$$コナーズRSI(x,y,z) =\frac{RSI(終値,x) + RSI(騰落数,y) + ROCのパーセントランク(z)}{3}$$
※x,y,zはパラメーターです。コナーズ氏は、(x,y,z)=(3,2,100)を推奨しています
※コナーズの計算式は、「Connors RSI|TradingView」を参考にしています
それぞれの要素について簡単に説明します。
1.RSI
ワイルダー氏が開発したテクニカル指標で、オシレーター指標の中で最も有名です。
コナーズRSIでは、期間3のRSIを使い、短期の価格の勢いを測定します。
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2.騰落数
騰落数は、ローソク足終値が前の足の終値より高いか安いかを集計します。
カウント法
・前の終値より高い:+1
・前の終値より安い:-1
・前の終値と同値:0
・上昇(下落)の連続が途切れると、カウントがリセットされる
計算例 直近6日間の終値が次の場合、日足の騰落数は1になります
1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | |
---|---|---|---|---|---|---|
終値 | 122.4 | 124.8 | 125.6 | 125.0 | 123.9 | 124.2 |
騰落数 | +1 | +2 | -1 | -2 | 1 |
このように、直近の終値データをもとに騰落数を算出します。
騰落数が正の方向に大きくなるほど、買われすぎの状態になり、負の方向に大きくなるほど、売られすぎの状態になります。
連続して下げる期間が長いほど、株価が平均に戻るときに大きく上げやすい。
同様に、連続してあげる期間が長いほど、株価が平均回帰するときに大きく下げる。
引用:著 ローレンス・A・コナーズ「高勝率システムの考え方と作り方と検証」パンローリング社
そして、コナーズRSIでは、騰落数を規格化するためにRSIを使います。
※RSIは0~100で上下動します。そのため、騰落数も0~100の範囲で動くように、規格化する必要があります
RSI(騰落数,2) ←終値の代わりに騰落数の値で計算したRSI(期間2)
上昇日が連続するほど、RSI(騰落数,2)は上昇して100に近づき、逆に下落日が連続するほど0に向かって減少します。
3.ROC
ROCは、n本前の足の終値を基準とした、価格の上昇率/減少率を数値化した指標です。
コナーズRSIでは、パーセントランク関数(単位:%)で規格した期間1のROCを使います。
計算式
ROC = (現在の足の終値 - n本前の足の終値) ÷ n本前の足の終値 × 100
percentrank = percentrank(roc(終値, 1), lenroc) ※lenrocは100が一般的に使用されます
コナーズRSIの利点
RSI・騰落数・ROCを独立して、次の3つの条件がそろったときにトレードする場合、条件が厳しいためシグナルの発生頻度が低くなってしまいます。
買いシグナルの条件
- RSI(3)が10%に到達
- RSI(騰落数,2)が10%に到達
- ROCのパーセントランクが10%に到達
それに対して、コナーズRSIでは3つのオシレーターの平均値であるため、条件をクリアしやすくシグナルが発生しやすいです。
買いシグナルの条件
- コナーズRSIが10%に到達
たとえば、3つの指標のいずれかがターゲット水準下抜けていない場合も、
・RSI(3)= 4
・RSI(騰落数,2)= 8
・ROCのパーセントランク= 17 >10
コナーズRSIでは、1つの指標の強い数値が他の弱い数値を補填するため、シグナル条件をクリアしやすいです。
コナーズRSI = (4 + 8 + 10) ÷ 3 = 7.33 < 10
コナーズRSIの見方&使い方
コナーズRSI(C-RSI)はRSIと同様、0から100の範囲で上下に振動します。
この指標は、短期的な価格の勢いを測定します。
たとえば、上昇トレンドではC-RSIも上昇しますが、上昇時の小さな下落の動きも拾います。
相場の過熱感を測定
C-RSIは短期の買われすぎ・売られすぎ状態を把握するのに役立ちます。
- 90%:買われすぎ水準 →売りシグナル
- 10%:売られすぎ水準 →買いシグナル
これらの水準に到達すると、価格の短期的な反転が発生する可能性が高いです。
例1:上昇トレンド
C-RSIが10%の水準を下抜けて再浮上したら、押し目買いの仕掛けタイミングになります。
C-RSIが10%に到達していない場合、押し目が浅いため、このタイミングでの買いは危険です。さらに深い調整が入り、振り落とされる可能性があります。
C-RSIが10%近くまで下落するのを待って、押し目買いするのが低リスクです。
例2:レンジ相場
レンジ相場では、C-RSIの10%到達で短期の逆張り買い、90%到達で短期の逆張り売りが有効です。
補足
ダイバージェンス
また、他のオシレーター指標のように、ダイバージェンスでトレンドの衰退を検知できます。
ただし、C-RSIは振動が激しく、山や谷が多く発生するため、ダイバージェンスの発生がやや見つけにくいです。
トレンドの高値(安値)に対応するC-RSIの山(谷)を探して、価格の動きと逆行していないか確認しましょう。※ノイズ的な小さな山・谷は無視してOK
RSIのシグナルフィルター
RSIでは一般的に、70%・30%が買われすぎ・売られすぎ水準に設定されますが、レンジ範囲が狭い分偽シグナルが発生しやすいデメリットがあります。
コナーズRSIをフィルターとして使うことで、偽シグナルを減らすことができます。
たとえば、RSI(14)が30%に到達時、同時にコナーズRSIが5%に到達しているシグナルはトレード可能です。
逆に、コナーズRSIが5%に到達していないシグナルは、買いシグナルとして無効です。
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コナーズRSIのMT4・MT5インジケーターの紹介
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