この記事では、リバーストレンドラインを使った、ブレイクアウト手法を解説します。
これはどの時間足でも発生頻度の高いプライスパターンになるので、トレードアイデアのひとつとして参考にしてください!
【FX】リバーストレンドラインとは?
リバーストレンドラインとは、トレンドラインと反対側の高値(安値)を起点に引いたラインを指します。
定義
- 上昇トレンドの場合:隣り合う高値2点で引いた上昇ライン
- 下降トレンドの場合:隣り合う安値2点で引いた下降ライン
チャネルラインと似たラインですが、次の点で異なります。
・チャネルライン:トレンドラインと「平行」
・リバーストレンドライン:トレンドラインと「非平行」
そのため、この2つのラインを分けるために、この記事では便宜上「リバース(reverse)トレンドライン」とします。
※「opposite = 向こう側の、反対側」のほうが適していると思いますが、オポジットトレンドラインは語呂が悪いので「リバース」を使います
リバーストレンドラインを使ったブレイクアウト手法
リバーストレンドラインは、チャネルラインと同様、レジサポラインとして注目されています。
順張りトレーダーの場合、このラインをトレンド方向にブレイクアウトすると、トレンドの勢いが加速したとみて、このタイミングで順張りを仕掛けてきます。
上の相場では、上昇トレンドと下降トレンドにおいて、リバーストレンドラインを1本ずつ引いています。
各ラインを大きなローソク足でトレンド方向にブレイクアウトしたとき、出来高が増加していることから、多くのトレーダーがここで買いを仕掛けていることがわかります。
順張りの仕掛けポイント
出来高の増加を伴って、リバーストレンドラインをトレンド方向にブレイクアウトしたら順張りを仕掛ける
この順張りトレードでの利食いポイントとして、リバーストレンドラインの平行ラインが候補の1つになります。
上の相場では、リバーストレンドラインの基点である安値の1つ前の安値を起点に、平行な下降ラインを引いています。
このラインはサポートラインとして機能するため、価格がこのラインに到達したら売りポジションの利益確定をしましょう。
もう1つ、例を見てみましょう。
上の相場では、リバーストレンドラインとトレンドラインが組み合わさり、上昇ウエッジパターンを形成しています。
前回下降トレンドラインの高値を起点とした平行ラインがレジスタンスラインとして機能し、ここが利食いポイントになります。
このブレイクアウト手法の重要ポイントは、次の4つがあります。
ポイント1
- ラインの傾きが緩やかほど、ブレイクアウトが成功しやすい
リバーストレンドラインの傾きが急であるほど、ラインをブレイクアウトするのに大きなエネルギーが必要であり、成功確率が低くなります。
上の上昇トレンド相場では、トレンドの初期と後期で2本の急勾配のリバーストレンドラインを引いてきます。
トレンド初期では、出来高が大きく上昇力が強いため、急勾配のラインでもブレイクアウトして上昇を維持できます。
それに対して、トレンド後期では、出来高が減少して上昇力が低下しているため、ブレイクアウトが失敗しており、ブレイクアウトでの順張り買いは危険です。
ポイント2
- 基点の数が多いほど、価格がトレンド方向に伸びやすい
トレンドラインと同様、基点の数が多いほどラインの注目度が高まり、ブレイクアウトのインパクトは大きくなります。
上の相場では、4つの安値を起点にリバーストレンドラインを引いています。
ブレイクアウト後、価格は1つ目の平行ラインを下抜け、2つ目の平行ラインに到達しています。
ポイント3
- ブレイク後の、リバーストレンドラインでの反発もエントリーポイント
リバーストレンドラインを延長したラインは、ブレイク後の下降トレンドでレジスタンスラインとして機能します。
そのため、このライン下での反発下落は戻り売りを仕掛けるポイントになります。
また、リバーストレンドラインのブレイク後の高値(安値)を起点にした平行ラインも、その後のトレンドにおける押し目買い(戻り売り)ポイントになります。
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ポイント4
- 上位足のリバーストレンドラインは、下位足の重要ブレイクアウト水準
1時間足チャートのリバーストレンドラインを引いたポイントを5分足で見てましょう。
5分足ではこのラインを勢いよくブレイクアウトしています。
ブレイク2波(初押し目)とブレイク後のプルバックが買いの仕掛けポイントになります。
このように、1時間足のリバーストレンドラインは、5分足で強力なサポートラインとして機能しており、順張り買いを仕掛けるツールとして利用できます!
また、ブレイク後の高値を起点として、1時間足のリバーストレンドラインに平行に引いたラインも、ブレイクアウト水準になります。
リバーストレンドラインを使った逆張りパターン3選!
上で述べたように、急勾配のリバーストレンドラインは逆張りの仕掛けポイントになります。
上の下降トレンド相場では、1本目の緩やかなリバーストレンドラインは価格が下抜け、下降トレンドが加速していますが、
2本目の急勾配のラインでは、ライン上で複数の下ヒゲをつけて反発し大きく上昇しています。
このポイントは、順張り売り注文の利益確定による買い戻し&逆張りの新規買い注文で反発上昇する傾向があるので、ここが逆張り買いのタイミングになります。
利食いポイントは、下降トレンドライン到達時です。
また、トレンド後期でこのパターンが発生した場合、トレンド転換につながり、上昇トレンドへ移行する可能性があります。
そのため、ポジションの半分をトレンドライン到達時に手仕舞い、もう半分を長期保有する戦略も可能です。
注意点
「ブレイクアウトの失敗がない」ライン上での反発で逆張りを仕掛けるのは危険です。
トレンド方向の勢いが強いため、価格がトレンドラインまで回帰せず、すぐにリバーストレンドラインをブレイクする可能性が高いです。
そのため、通常の反発で逆張りを仕掛けるのは避けたほうがよいです。
応用パターンを2つ紹介します。
パターン1
下の相場では、チャネルラインとリバーストレンドライン、スパイク&チャネルの3本を引いています。
丸で囲んだポイントは、この3つのレジスタンスラインが重なるポイントであり、売り圧力が高いです。
パターン3
トレンドでの深めの押し・戻しでの順張りトレードでも利用できます。
深めの押しでの短期の調整下落で、次の2つの仕掛けポイントが重なっています。
- リバーストレンドラインの反発による逆張り買い
- フィボナッチ・リトレースメント38.2%上での押し目買い
上の相場では、上昇トレンドラインのブレイクアウトで、大きな下降スパイクが発生しています。
このスパイクでのフィボナッチ・リトレースメント50%水準でリバーストレンドラインの反発下落が2回連続で発生しています。(1回目は大きな上ヒゲで、2回目は長大陰線で反発下落し、どちらも売りの強さが見られます)
そのため、ここが戻り売りを仕掛けるポイントになります。
※特に2回目は、同時にフィボナッチ50%水準での反発と重なるため、反転下落につながる可能性が高いポイントになります
※TradingViewでは、トレンドラインをローソク足がブレイクアウトしたときにアラートで通知してくれたり、トレンドラインに関する様々な情報を確認できます。
詳しくは→【TradingView】トレンドラインの設定&便利機能まとめ