ポジポジ病は、FXで成功するために絶対に克服しないといけないもの。
ポジポジ病が治れば、無駄なトレードが減り勝率・期待値を大きく向上することができます。
そこで今回は、私がFXのポジポジ病を克服できた2つの治療方法を紹介します。
1つ目は優しい治療法ですが、2つ目は「劇薬」。効果は劇的ですが荒療治ですので、「絶対にポジポジ病を治す!」という覚悟のある方のみお試しください!
ポジポジ病とは?
ポジポジ病とは、常にポジションを持っていないと落ち着かない心理状態のことです。
お菓子をつまみ食いしていると、ブクブクと太ってしまいますよね。
ポジポジ病も同じで、ついエントリーして無駄なトレードを繰り返していると、損失が膨れ上がり取り返しのつかないことになります。
あなたは、次の症状に心当たりはありませんか?
- エントリーしたくてたまらず、チャンスを待つのが苦痛である
- ポジションを持たずに長時間チャートを監視するのが苦手
- 短時間に何度もトレードを繰り返して、損切りのオンパレード
- 無駄なトレードばかりして、いつも後悔している
もし1つでもあてはまるなら、あなたはポジポジ病に罹っている可能性が高いです。
ポジポジ病を克服には、まずその原因を知ることが治療の第一歩。そこで次に、あなた自身のポジポジ病の原因を探してみましょう!
ポジポジ病の6つの原因と対策
ポジポジ病の原因は、トレーダーとしての間違った心理や考え方にあります。
そこで、ポジポジ病の6つの原因となる誤った心理・考え方と、その対策を順に紹介していきます。
1.毎日10pips取ると目標を立てている
トレードでどれだけ稼げるかは自分でコントロールできません。全くエントリーチャンスがなかったり稼げない日もあります。
10pips毎日相場から取るという目標を立てると、結果を出さないといけないというプレッシャーが生まれます。
その結果、目の前のチャンスに飛びついて、無駄な負けトレードを繰り返ししまうことになります。
対策
毎日のトレード目標は、金額やpipsなどの結果ではなく、「ルールを守れたトレードができたかどうか」などのプロセスを目標にする
2.チャートを眺めているだけの時間はもったいない!
チャートを監視しているだけの時間に我慢できず、ついトレードしていませんか?
毎日トレードしてお金を稼ぐことが、トレーダーの仕事ではありません。エントリーすべきチャンスがない場合、その日1日ノートレードで終わることがベストな結果です。
待つこともトレーダーの大切な仕事。難しい相場に手を出さず負けトレードを回避することは、トレードで利益を上げることと同じくらい価値があることです。
対策
長時間チャートを監視しているのはストレス!息抜きをしたり、トレードの本や過去チャートでFXの研究をするなど、トレードの待ち時間を有意義に使う
3.トレードに刺激を求めている
ルールを破った思いつき・直感的なトレードは刺激的でワクワクしますが、その代償に大切な資金をゴッソリ失う羽目になります。
実はトレードはかなり退屈で、自分が決めたルールやトレードプランに沿って淡々と実行する単純作業にすぎません。根拠のあるトレードを1つ1つ積み重ねていく根気強さが求められます。
対策
チャートを長時間見るのが苦痛な場合、大きな時間軸でトレードして、チャートを見る時間を減らす。
また、もしどうしても自分のルールに合わないポイントでエントリーしたいなら、デモ口座でポジションを持とう。お金を失わずに刺激や楽しさを得ることができますよ。
4.負けトレードによる損失を早く取り戻したい
損切りになったとき、すぐにその損失を取り戻したいと考えていませんか?
損切り直後は不安や恐怖に感情が支配され、いいトレードができません。衝動的にエントリーをして損失を大きくしまうことが多々あります。
冷静さを欠いたら、一度トレードを休みましょう。
対策
損切りになったら、一度チャートから30分ほど離れよう。気持ちをリセットしてトレードを再開することが大切
5.お金に対する執着心が強い
大きな枚数(ロット)でトレードするほど、1回1回の利益や損失が大きくなります。その結果、お金に対する欲やお金を失う恐怖心が強まり、個々のトレードの勝ち負けに振り回されるようになります。
また、大金を稼ぎたいという欲望でチャートを見ると、全ての値動きがチャンスに見えます。
1回1回のトレードでの勝ち負けに一喜一憂しているなら、お金に対する執着心が強まっています。小額資金でトレードして冷静さを取り戻すことが大切です。
対策
平常心を取り戻すまで、ロット数を通常の10分の1でトレードして、1回のトレードでの利益や損失を小さくする
6.稼げるチャンスを逃したくない
すべての値動きを取らないと気がすまない、大きな動きを取り逃がすとものすごく悔しいと感じていませんか?
すべてのチャンスにエントリーすることはできません。ブレイクアウトやトレンドが発生してもタイミングが合わない場合は、エントリーせずに見送ることもあります。
トレードチャンスを見逃したとき、稼げるチャンスを逃した焦りから相場を追いかけて、無理やりエントリーするのは危険!ブレイクアウトやトレンドの終わりを掴まされて損切りになることが多いです。
対策
もしトレードチャンスを逃したら、その通貨ペアのチャートは1時間以上見ないようにする
※トレーダーとしての正しい考え方や姿勢は、次の記事でも詳しく学ぶことができます。
「マーケットの魔術師」の名言まとめ|トレードの成功鉄則23
ポジポジ病の治療法を2つ紹介
ポジポジ病の原因の特定&対策は即効性がありますが、ポジポジ病を根本的に治すには次の2つの治療法が効果的です。
1.マイルドな治療法
あなたは下の項目に心当たりがありますか?
- 自分がエントリーすべきポイントを理解していない
- いつもエントリーする根拠があいまい
- 自分の手法を確立していない
- 目の前のチャンスに飛びついてしまう
当てはまる方は、次の4つを実践してみましょう。
step
11~2年分(トレードサンプル数は100以上)の過去チャートでバックテストして、期待値がプラスの手法を開発する
手法がないと、一貫性のあるトレードはできません。
明確な手法ルールを構築することで、エントリーすべきポイントと手を出すべきでないポイントをはっきり区別することができます。
思いつきや感覚に頼ったトレードをしている方は、ポジポジ病になりやすいです。客観的・機械的にトレードができるように、手法のルールを厳密に作りましょう。
step
2自分の手法のルールを紙に書く
手法のルールを紙に書くことで、曖昧さがなくなります。曖昧さがあると、自分を正当化して微妙なチャンスにも手を出してしまいます。
また、トレードルールのチェックリストを作成することもおすすめ。チャックリストは、ミスを予防しリスクを減らすのに役立ちます。
関連本 アナタはなぜチャックリストを使わないのか? [ミスを最大限に減らしてベストの決断力を持つ!]
step
31日のトレードを始める前に手法のルールを確認し、イメージトレーニングをする
エントリーや利食い、損切りをしている場面をイメージしましょう。
ポジポジ病の方は特に、エントリーを見送る場面や手を出すべきでない場面をイメージすることが効果的。
脳は「実際のトレード」と「頭の中で描いた想像上のトレード」を区別できません。そのため、イメージトレーニングを重ねることで、実際の場面でもエントリーを見送るなど、正しい行動が自然とできるようになります。
step
4事前にトレードプランを複数立てる
「エントリーするシナリオ」と「エントリーを見送るシナリオ」を事前に作りましょう。
そうすれば、エントリー直前になってエントリーして良いのか慌てることがなくなります。事前に立てたトレードプランに沿ってエントリーするかしないかを判断するのです。
2.ポジポジ病を治す劇薬
これまで紹介してきた治療法でも、なかなかポジポジ病が治らない方へ。効果は劇的ですが、荒療治な方法を紹介します。
step
1トレード回数の上限を1日1回にする
step
2その日のトレードが終わったら、ルールを守れたトレードができたかを評価する
ルールを守れたトレードなら○、ルールを破ったorルールにないトレードをしたら×の評価
step
31週間(5日間)で○が安定して4~5個になるまで、①の条件でトレードを繰り返す
「1日1回しかトレードできない」というのは精神的に辛いですが、ついついエントリーしてしまう癖を矯正するのに効果的です。
この制約下でトレードを繰り返していると、お金を稼ぐことではなく、「ルールを守ったトレードができたこと」に満足感を得るようになります。
そしてこの価値観が身につくと、無駄なトレードが減り、規律のあるトレードが一貫してできるようになります。
ポジポジ病の再発予防策
ポジポジ病の再発予防には、自分のトレード回数の目安を把握することが大切。
トレード回数が自分の目安を超えている場合、オーバートレードしており、ポジポジ病が再発している可能性が高いです。
ただちにトレードをストップし、原因の特定及び対策をしましょう。またポジポジ病の再発防止のために、1週間ほど1日のトレード回数の上限を1回にするのがベストです。
トレード回数の目安は、トレードスタイルによって異なります。
各トレードスタイルでのトレード回数の目安
- スキャルピング:1日数回~20回
- デイトレード:1日数回 (トレードない日もあり)
- スイングトレード:週数回
もしあなたがデイトレーダーで1日10回以上エントリーしているなら、トレードのしすぎです。
ポイント
エントリー回数が1日のトレード回数の目安に達して、さらにトレードチャンスが発生したときに、どうしてもエントリーしたい場合は、ロット数(取引枚数)を10分の1~100分の1に抑えるのがおすすめ!
ポジションを持ちたいという欲求を満たし、かつ負けたときの損失を小さくすることができます。
※自分の適切なトレード回数の目安を知りたい方は、『FXの適切な「1日のトレード回数」を把握していますか?【算出方法を紹介】』で詳しく解説しているので参考にしてください。
※TradingViewのリプレイ機能では、チャート上の過去の指定した足に遡り、ローソク足を再生することができます。
過去のチャートを動かしてトレードの練習を行いたい方におすすめ!