この記事では、未来の値動きを予測してチャートに表示するMT5インジケーターを5つ紹介します。
目次
自己回帰モデルで、未来のチャートを予測するインジ
このインジケーターは、自己回帰モデル(ARモデル)を利用して、相場の未来の動きを予測します。
ある時点のデータを過去のデータを用いて回帰するのがARモデルです。
例えば、今日の株価を昨日の株価を用いて単回帰したモデルはARモデルです。今日の株価を昨日と一昨日の株価を用いて重回帰したモデルもまたARモデルです。
経済指標予測、気象予測、河川流量予測などの複雑な非物理系(システムの細部を厳密に記述できないシステム)のモデルとして、広く使われています。
引用:ARモデルの解説
設定
・UseDiff:ARモデルで利用するデータ
→ true=価格差(=隣接する2本の足の終値の差)【差分系列】 false=ローソク足終値【原系列】
・Model coefficient:ARモデルの次数(p)の数値
・Future bars:表示する未来のローソク足の本数
・Past bars in increment of Ncoef:自己回帰係数(φk)に含まれる過去のローソク足の本数
※ARモデルの式は、次の式で表されます。
※自己回帰モデルを利用した自動売買EAをお探しの方は『Complete One EA』がおすすめ!
このEAは、過去500本のローソク足をを分析して細かくパータン化し、現在の相場と相関性のあるパターンを抽出して、その後の値動きを予測して売買ポイントを見つけ出します。
k近傍法で未来のチャートを予測するインジ
このインジケーターは、機械学習アルゴリズムの1つ「k近傍法」を利用して未来のチャートを予測します。
具体的には、現在の直近の価格パターンに最も類似しているパターンを1つ過去のチャートから検出し、その過去のパターンのその後の値動きを参考に、未来の値動きを予測します。
このとき、現在のパターンと過去のパターンの類似性を評価するのにピアソンの相関係数を利用します。
- 青いライン:最も類似している価格パターンを現在のチャートに重ねて表示したもの
- 赤いライン:予測した未来の値動き
設定
・Past bars in a pattern:現在の直近の価格パターンの範囲
→ たとえば100では、直近の100本の値動きパターンに類似したパターンを過去のチャートから検索します。
・Future bars in a pattern:未来のチャートをローソク足何本表示するか
Price prediction by Nearest Neighbor
また、下のインジは上のインジの改良版です。
新しい価格ほど未来のチャートを予測する信頼性が高くなると考え、類似した価格パターンの検出をするときに、より新しいパターンほど大きな重みを与えて、最も類似したパターンを探します。
nearest_neighbor_-_weighted_corr
今日のレンジ幅を予測するインジ
これは、前日の価格データをもとに、今日の相場の予想最高値と最安値を予測するインジケーターです。
100%この範囲に価格が収まることはありませんが、今日の相場の値動きを予測するツールの1つとしてよければお試しください!
仕組み
まず、次の計算式でXを求めます。
そして、今日の予想最高値と最安値の水準を次の式で算出します。
・今日の予想最安値 = X - 前日最高値
・今日の予想最高値 = 前日最安値 - X
フーリエ解析で未来の値動きを予測するインジ
これは、フーリエ解析を利用してFX相場の周期的な価格変動(市場価格のサイクル)、つまり相場の転換点を予測するインジケーターです。
計算式は以下の通りで、

参照:メタクォーツ社
価格の動きをフーリエ級数式で近似して表すことができるような、a[h]・b[h]・ w[h]を見つけます。
フーリエ解析を詳しく学びたい方は、下記のサイトの記事を参考にしてください。
設定
・Past bars , to which trigonometric series is fitted:フーリエ級数に使う価格データの範囲(ローソク足の本数)
・Predicted future bars:表示する未来のローソク足の本数
・Narmonics in model:モデル内の高調波の合計数
Fourier extrapolation of price
特異スペクトル分析を使った価格予測インジ
このインジケーターは、特異スペクトル分析を使って、価格変動の特徴や規則性を見つけ出し、未来のチャートを予測します。
特異スペクトル変換は、各時系列を、その変化度スコアの時系列に直す変換である。
変化度スコアが高い位置は、その変数に「何かがあった」時刻を示している。それゆえ、その位置は、変数の因果関係を指し示す重要なキーとなりえる。
設定
・Algorithm:予測アルゴリズムの種類
→ Vector forecast:ベクトル予測 Recurrent forecast:繰り返し予測
・N: Data fragment:サンプルとなる価格範囲(ローソク足の本数で指定)
・Time-dependent lag:時間依存の遅れ
・Noise High-Freq limit:トレンドのノイズを除去するためのパラメーター(ノイズフィルターのしきい値)
・Recalculate period:インジケーターの再計算期間
・Predictable points:予測するローソク足の本数
※特異スペクトル分析についての理解が浅いため、上の各設定の説明が間違っている可能性があるのでご了承ください。
特異スペクトル分析について詳しく学びたい方は、下記の記事を参考にしてください。
みらいチャート
JFX株式会社のツール「みらい予測チャート」では、過去のチャートから現在の値動きパターンと類似した型を3つ見つけ出し、未来のチャートの動きを予測します。
今後の相場シナリオの構築やトレードプラン作成に役立つので、興味がある方はぜひお試しください!
・予測チャート:過去のチャートの中から現在のチャートと類似した形を見つけ出し、近似率の高いものから3つを予測チャートとして表示します
・近似チャート:現在のチャートの形状と類似した過去のチャートを、一致率が高い順に第1~3近似まで表示しています
・テクニカルランキング:売買シグナルで使用している7種類のテクニカル指標を基に足種別に各通貨ペアの売買傾向を計算し、テクニカルランキングとして表示します引用:JFX株式会社