この記事では、トレンドラインのコピーラインを利用して、押し目の底や戻りの天井となるポイントを予測する方法を紹介します。
このラインは、押し目買いや戻り売りを仕掛けるツールとして利用できるので、ぜひ参考にしてください。
押し目の底をピタッと捉える!コピートレンドラインの引き方
上昇トレンド相場では、次の2つの手順でラインを引きます。
手順
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1上昇トレンドにおける、次の2点を起点にトレンドラインを引く
2つの基点
- 押し安値
- 上昇波の前々回高値
※このラインは、当サイトではクロストレンドラインと呼称しています。
詳しい使い方は、「【頻出度が高い重要ライン!】クロストレンドラインの引き方&使い方」を参考にしてください。
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2➊で引いたラインに平行なラインを、前回高値を始点にして引く
※MT4では、トレンドラインを選択し、[CTRL]キーを押しながらドラックするとラインがコピーできます
高値を更新して、上昇トレンドが進行するたびに、直近高値を起点に平行ラインを引きましょう。
この平行ライン上で反発上昇を確認したら、押し目買いを仕掛けるタイミングになります。
注意点として、トレンドの後半では上昇の勢いが低下して深い押し目が入るため、この平行ライン上で反発上昇しにくくなります。
上の相場では、前回押し目内部の高値(トリプルトップの1つ目の高値)を起点にした平行ラインまで価格が下落し、このライン上で反発上昇しています。
また、この平行ラインを延長したラインは、トレンド転換後のレジサポラインとして機能します。
テクニックの1つとして参考にしてください。
下降トレンド相場では、次の2つの手順でラインを引きます。
手順
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1下降トレンドにおける、次の2点を起点にトレンドラインを引く
2つの基点
- 戻り高値
- 下降波の前々回安値
上の相場では、ブレイクアウト直前のレンジ内安値とブレイク2波の戻り高値を起点にクロストレンドラインを引いています。
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2➊で引いたラインに平行なラインを、戻りの前回安値を始点にして引く
この相場では、ブレイク1波の安値を起点に平行ラインを引いています。
このコピーライン下で価格が3度反発下落して、上値の硬さを確認できるので、このポイントでブレイク4波の戻り売りを仕掛けましょう!
テクニックの1つとして、このコピーラインの幅で下降ブレイクアウトの勢いを把握することができます。
- ラインの幅が拡大する:安値を押し下げようとする売りのパワーが強い
- ラインの幅が狭くなる:安値を押し下げようとする売りのパワーが弱くなっている
そのため、ラインの幅が狭くなると下落の勢いが低下し、ブレイクアウトの終了が近い可能性があるので気をつけてください。
【私の鉄板】2本の移動平均線(20&50EMA)を使った、押し目買いエントリーパターンを大公開!|note
トレンド転換後の初押し・初押し目を捉えることも可能!
このコピーラインを使って、トレンドの初押しの底や初戻りの天井を予測することもできます。
ケース1:上昇→下降のトレンド転換
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1押し安値を価格が下抜けたら、その下落波の安値と押し安値の前の高値を起点にクロストレンドラインを引く
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2➊で引いたラインに平行なラインを、上昇トレンドの最高値を起点にして引く
このコピーラインが下降トレンドの初戻しの転換点の候補になります。価格がこのラインで上げ止まり、反発下落したら戻り売りを仕掛けます。
ちなみに、次の戻り(下降4波)の転換点となるコピーラインは、次の手順で引きましょう。
引き方の手順
- 上昇トレンドの最後の押し安値と初戻りの高値を起点にクロストレンドラインを引く
- 下降トレンド1波の安値を起点に、➊の平行ラインを引く
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1ケース2:下降→上昇のトレンド転換
次の相場では、トレンド転換前に安値の切り上げが発生しています。
この場合、ラインの引き方がケース1と少し異なるので注意してください。
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1戻り高値を価格が上抜けたら、その戻り高値と前の安値を起点にクロストレンドラインを引く
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2トレンド転換直前の高値を起点に、➊の平行ラインを引く
トレンドラインのコピーを利用した実践MTFトレード解説
では最後に、この平行ラインを利用したMTFトレードを2つ見てみましょう。
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1トレード例1
下のチャートは、ポンド/円1時間足です。
トレンドラインを下抜け、下降トレンドにトレンド転換しました。ブレイクアウト直後の安値&高値でクロストレンドラインを引き、さらにその間の安値を起点にその平行ラインを引いています。
四角で囲まれた、平行ライン下のポイントを5分足で詳しくみてみましょう。
前日NY市場の最高値に到達するも、1時間足で引いた平行ラインで上値を抑えられ、大きな下落に転じています。
- エントリー:前日NY高値水準を下回ったら売りを仕掛ける
- 損切水準・平行ラインの上に置く
その後、再び平行ラインまで価格が上昇しました。
ここでは、東京市場の高値と前日NY市場の高値、平行ラインの3つのレジスタンスラインが重なり、逆張り派による売りの仕掛けが殺到し、大きな下落に転じました。
この反転下落で前回と同じ規模の価格の下落が期待できます。
利食い水準
前回の大きな下落の最安値の水準が利食い水準の候補になります。
この価格帯では、大きな下ヒゲが何本も発生して、売りポジの手仕舞いの動きが見られます。下落が終了する可能性があるので、ここで利益確定しましょう。
トレード例2
下のチャートは、オージ/ドル1時間足です。
上昇トレンド相場で、クロストレンドラインとその平行ラインを引いています。
四角で囲まれたポイントを5分足で見てみましょう。
ポイントAで、平行ライン上できれいに反発していますが、ここで買うのは少し危険です。
理由
その直前に、前日高値の上ブレイクアウトが失敗し、買い勢力が一旦市場から撤退しています。
そのため、2~3時間は上値が重く価格が上昇しにくい相場環境になります。
その後、平行ラインを下ブレイクアウトし、下降チャネルに到達しました。
チャネルを急角度のV字パターンで反発しており、再度平行ライン上に価格を押し上げようとする買いの強さが見られます。
その後、下降トレンドラインで反発することなく上抜けており、この価格帯で新規売りで仕掛けたいトレーダーが少ないことがわかります。
その後の相場
前日高値を超えると、1時間足の順張りトレーダーの参入により、上昇が加速しました。
1時間足上昇トレンド相場において、平行ラインでの反発上昇が成功すると、5分足では大きな上昇が発生するケースがよく見られるので順張り買いを積極的に仕掛けるチャンスです。