今回は、ダブルトップとダブルボトムを組み合わせたチャートパターン、 MWパターンの使い方を紹介します。
FXや株式相場のあらゆる時間軸で出現する、汎用性の高い型なので、ぜひ利用してみてください!
目次
- ダブルトップ・ダブルボトムの派生形ーMWパターンとは?
- MW・WMパターンの3つの使い方
・4つの重要なレジサポライン
・レンジブレイクアウト
・レンジ内でのMTF逆張り
【FX】ダブルトップ・ダブルボトムの派生形ーMWレンジパターンとは?
MWパターンやWMパターンは、ダブルトップとダブルボトムが連続発生して形成されたチャートパターンです。
MWは同水準での高値2点と安値2点で、WMは同水準での高値2点と安値2点で構成されます。そのため、一定値幅のボックスを形成し、これらはレンジの一形態でもあります。
- MW:ダブルトップ(MT)とダブルボトム(WB)の順に発生
- WM:ダブルボトム(WB)とダブルトップ(MT)の順に発生
実際の為替チャートで見てみましょう。下のドル円5分足では、MWパターンが発生しています。緑の枠は、レンジボックスを表しています。
MW・WMチャートパターンを見つける補助ツール
MW・WMパターンは、インジケーター「ZigZag」の山・谷を見ることで簡単に見つけることができます。MWの場合、ZigZagの平行な山2つと谷2つからなります。
MW・WMパターンの3つの使い方
MW・WMパターンの使い方は次の3つあります。
・4つの重要なレジサポライン
・レンジブレイクアウト
・レンジ内でのMTF逆張り
4つの重要なレジサポライン
MW・WMのダブルトップ高値やダブルボトム安値の水準は、長期間レジスタンスラインやサポートラインとして注目され、ライントレードの水平線に利用できます。
ブレイクアウト後も意識される価格水準なので、水平線を引いたらすぐに消さないようにしましょう!
ダブルトップの高値:MTの2つの山を起点に引いた水平線
ダブルボトムの安値:WBの2つの谷を起点に引いた水平線
これらの水準は、レンジブレイクアウト後のプルバックやレンジ内回帰後のエントリーポイントとして活用できます。
また、MW・WMを構成するダブルトップ・ボトムのネックラインもレジサポラインとして機能します。レンジ内部にある水準なので見落としがちですが超重要です!
上の相場では、レンジ内ネックライン上で価格が4回反発して、買い売りの攻防が発生し、ディセンディング・トライアングルパターンを形成しています。
ネックラインを下抜け、ブレイクアウトが成功すると、ネックラインはレジスタンスラインに転換し、ブレイクアウト後の売りエントリーポイントを提供しています。
ちなみに、MW・WMのレンジ・ブレイクアウト後に、レンジ内に価格が回帰するケースがあります。この場合、ゾーン内でもみあってなかなか抜け出せないことが多いです。
再びレンジを抜けるまではトレードは避けたほうがいいです。
その後相場は、MWレンジの下限水準でシンメトリカルトライアングルパターンを形成し、上方向にブレイクアウトしました。
このポイントでは、レンジ下限での逆張り買いとブレイクアウト買いの2つが重なり、買い圧力が高まります。
そして、直後の上昇ブレイクアウト2波ではフラッグパターンを形成しており、このフラッグ安値でダブルボトムをつくり底値の固さを示しています。
このフラッグの上抜けはシンメトリカルトライアングルに続くセカンドブレイクアウトであり、買いを仕掛けるポイントです。
ゾーン内で長い間もみ合った分、大きく価格は上昇しました。
ターゲット水準は、MWレンジ上限から、レンジ幅を足した水準になります。
レンジブレイクアウト
MW・WMのボックスは、ブレイクアウト手法にも利用できます。特に、トレンド方向へのブレイクは大きく伸びる可能性があります。
その理由は次のとおりです。
上昇トレンドの天井圏でMW・WMのレンジを形成すると、この価格帯でトレンドを再開するのに必要なエネルギ―が蓄積されます。
そして、このレンジ上限(=トレンド高値)を価格がブレイクアウトすると、順張り買い注文とブレイクアウト買い注文の2つが重なり強い上昇が発生します。
今回のようにトレンドの天井圏でのMW・WMのレンジは、直前の上昇波とあわせてレクタングルパターンを形成しており、ブレイクアウトのターゲット水準は上昇波を起点にしたフィボナッチエクスパンション100%になります。
※上昇トレンドの場合、WMよりMWレンジのほうがトレンドが継続しやすいです。
上昇ブレイクアウトの直前に、レンジ下限をつくるダブルボトムで押し安値をつくっており、この下値の堅さを見た順張り派がネックライン越えで買いを仕掛けており、上昇ブレイクアウトを後押ししてくれます。
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レンジ内でのMTF逆張り
MWでのダブルボトムや、WMでのダブルトップの完成は、レンジ内逆張りをしかけるチャンスです。
エントリーのタイミングは1つ下の時間軸で計ると、より速いタイミングで仕掛けることができます。
下のドル/円15分足では、MWパターンが発生しています。これを5分足でみてみましょう。
5分足におけるダブルトップの1つ目の山の水準で、ローソク足が反発下落したら売りを仕掛けます。
1つ目のターゲット水準は、ダブルボトムのネックラインの価格ゾーンです。
ここを抜けると、下落の勢いが加速するため、このゾーン下での反発下落も売りを仕掛けるポイントになります。そして、その下にあるダブルトップのネックラインが最終到達水準になります。
このように、MWやWMは複数の時間足を利用したマルチタイムフレーム手法とも相性が良いですよ!他にも4時間足&15分足や5分足&1分足などの組み合わせで、活用することができます。