MT4やMT5にデフォルトであるインジケーター「フラクタル(Fractals)」はご存知ですか?
フラクタルは相場の山・谷をチャートに表示するインジで、トレンドラインの起点選びやトレイリングストップの置く位置などに利用できる、汎用性の高いツールです。
今回は、このフラクタルの8つの実践的な使い方を紹介します。FX初心者にぜひ使ってもらいたいインジケーターなので、この機会にお試しください!
FX初心者におすすめ!フラクタルとは?
フラクタルパターンとは、5本のローソク足で構成される、相場の反転パターンの1つです。
後ほど詳しく解説しますが、これらは相場の主要な高値安値になります。
強気のフラクタル
中央のローソク足の安値<両側の4本のローソク足の安値
弱気のフラクタル
中央のローソク足の高値>両側の4本のローソク足の高値
MT4・MT5での表示方法
フラクタルパターンは、わざわざ目視で見つける必要はありません。「Fractals」というインジケーターが自動でパターンを発見&表示してくれます。
MT4やMT5ではデフォルトで入っているので、誰でも簡単に利用できます。
強気のフラクタルは発生すると、ローソク足の下に「下向きの矢印」で表示され、弱気のフラクタルはローソク足の上に「上向きの矢印」で表示されます。
フラクタルの注意点
フラクタルが完成して矢印が表示されるには、フラクタルの右側の2本目のローソク足が確定するのを待つ必要があります。
そのため、トレードのシグナルとして少し遅行性があります。
また、チャートの期間が長いほど、転換シグナルとしての信頼性が高くなります。逆に短い時間足だと、下の1分足のようにフェイクの高値安値が発生することがあります。
中央のローソク足が次の3つのいずれかの特徴を満たすフラクタルは、騙しになりやすく信頼性が低いです。こういったフラクタルは発生しても無視し、その後の精度の高いシグナルが発生するまで待つのが無難です。
中央のローソク足の・・・
- 出来高が小さい
- 実体が小さい
- 反転と逆方向のヒゲが長い
相場の転換点を捉える!フラクタルの8つの使い方
では、フラクタルの実践的な使い方を8つ紹介します。
1.相場の高値安値のカウント
フラクタルは、相場の重要な高値安値(スイングハイ/ロー)を特定します。
そして、このフラクタルの高値安値をラインで結べば相場の波を視覚化することができるので、エリオット波動やダウ理論での波動のカウントの補助として利用できます。
関連:【MT4】エリオット波動のカウントに役立つインジケーター5選!【自動描画・目標水準算出】
2.トレンドラインやフィボナッチの起点となる
フラクタルの高値安値は、トレンドラインや水平線・フィボナッチを引くための起点として有効です。
ラインを引きたいけど、どのポイントで引けばよいか悩む方は、フラクタルを参考に引くと楽ちんですよ!
上のチャートでは、フラクタルの隣り合う高値(安値)を通過するように、トレンドラインを2本引いています。
※フラクタルを起点としたトレンドラインを自動で引くインジケーターは、下記記事で紹介しているのでよければ参考にしてください。
【高精度】MT4でトレンドラインを自動で引くインジケーター7選
3.エントリータイミングのシグナル
フラクタルは、押し目買いや逆張りなどのエントリーのタイミングを測るツールとしても利用できます。
例1
20EMA上向き上昇中に、ローソク足がEMA上で強気のフラクタル形成したら買い
例2
レンジ相場で、価格がボリンジャーバンドの±3σバンドに到達して、フラクタルを形成したら逆張りエントリー
4.トレイリングストップ
フラクタルの高値上や安値下は、トレイリングストップを置く候補にもなります。
損切りポイントがかなりタイトなので、勢いの強いトレンド相場でのトレイリングストップで有効です。
上のチャートでは、下降トレンドラインで売りを仕掛けて、その後弱気のフラクタルが発生するごとに、その高値上にトレイリングストップを動かしてトレンドを追跡しています。
関連:【MT4】自動でトレーリングストップを実行してくれるEA7選!【無料!】
5.フラクタルのパターン分析
フラクタルの発生パターンに注目することで、次のような情報が得られます。
5-1.トレンド相場とレンジ相場の見分け方
上昇トレンド相場では、フラクタルの矢印が全体的に切り上がっています。
レンジ相場では、フラクタルが上下に高頻度で発生します。相場は小刻みにミニ反転を繰り返し、方向感を失っている状況です。
5-2.トレンド終了の徴候
トレンドの終わりでは、トレンドと反対方向のフラクタル反転の数が多くなり、トレンドが終了するときが近いことを知らせてくれます。
たとえば上の上昇トレンドでは、トレンドの高値圏で弱気のフラクタルが密集しています。これは上値が重く、上昇力が低下していることを示唆しています。
5-3.レンジ内の攻防
レンジボックス内での強気/弱気のフラクタルの数の大小関係で、レンジ内での優位な勢力を把握することができます。
たとえば下のレンジ相場では、弱気のフラクタルの数がより多いです。これはレンジ内で、売り勢力によるレンジ内逆張りが活発に取引されている証拠であり、売り圧力が高いと考えれられます。
そのため、最終的に下方向にブレイクアウトする可能性が高いです。
もちろんブレイクアウトはさまざまな要因で成り立っているので、あくまでブレイクアウトの方向性を予測する1つの材料として参考にしてください。
6.レジスタンス・サポートライン
フラクタルの高値安値はレジサポラインの候補になります。
特に、フラクタルが連続して発生している価格水準は、重要なレジサポラインになります。
パラメーターの変更
フラクタル(2,2)では、フラクタルの発生頻度が高いので、レジサポラインの数が多くなりチャートが繁雑になります。
フラクタルのパラメーターを大きくすれば、フラクタルの発生頻度を下げ、より重要な高値安値に絞って水平線を引くことができます。
上のチャートでは、フラクタル(10,10)を表示して、その高値安値を起点に水平線を引いています。
※デフォルトのフラクタルインジでは、パラメーターは変更できません。
パラメーターを自由に変更できるMT4やMT5のインジケーターは、下記記事で紹介しています。
関連 【MT4】フラクタルインジケーター7選!【MTFやアラート機能など】
関連 【MT5】フラクタルインジケーターを5つ紹介!
7.パラメーターの大きいフラクタル
デフォルトのフラクタル(2,2)では、小さな波の反転も捉えてしまいます。
より大きなスイング波の高値安値のみフラクタルで捉えたい場合は、フラクタルのパラメータ ーを大きくしましょう。
フラクタル(10,10)はエリオット波動のカウントに、フラクタル(20,20)はブレイクアウト水準の発見に役立ちます。
8.上位足のフラクタル
上位足チャートのフラクタル高値安値も重要なレジサポラインになります。
たとえば5分足でトレードしている方は、1時間足や日足のフラクタルの高値安値を起点に水平線を引くのがおすすめです!
フラクタルブレイクアウト手法3選
ブレイクアウト戦略
- フラクタル(20,20)と50EMA&50WMAを使った、トレンドフォロー
- フラクタル(2,2)とATRを使った、ボラティリティブレイクアウト
- 上位足のフラクタルを使った、MTFトレード
詳しくは、『【FX】フラクタルを使った、ブレイクアウト手法3選!』をご覧ください。