このインジケーターは、FX市場の東京時間(8時~15時)の特徴を5つ紹介します。
東京時間でトレードしている方はぜひ参考にしてください!
目次
東京時間は、前日ニューヨーク時間の流れに大きな影響を受ける【注目パターン3選】
東京市場の値動きは、前日ニューヨーク時間の動きに大きな影響を受けます。
頻出パターンを3つ見てましょう!
パターン1
前日ニューヨーク時間できれいなトレンドが発生した場合、東京時間でそのトレンドの流れを引き継ぐ動きを見せることがあります。
ただし、NY時間ほどのトレンドの勢いはなく、じりじりとトレンド方向に動きます。
ニューヨーク時間から東京時間にかけてスパイク&チャネルを形成した場合は、東京時間では順張りで仕掛けるのは危険で、チャネルの反発を利用した短期逆張りが有効です。
※注意点として、必ずしも東京時間で前日ニューヨーク時間のトレンドを引き継ぐ動きがみられるわけではないことに注意してください。
上の相場では、今日のシドニー時間で前日NY時間の最安値で力強く反発し、さらにニューヨーク時間のメイン下降トレンドラインをブレイクアウトし、下降トレンドの継続が終了しました。
その後の東京時間では、シドニー時間の流れを引き継ぎ、上昇チャネルを形成して上昇しました。
※前日NY市場のトレンドが翌日の東京市場で継続しやすい性質を利用した順張り手法を極めたい方は『FX歴38年の重鎮!岡安盛男のFX極』がおすすめです
パターン2
NY時間で値幅の狭いレンジを形成したときは、東京時間のオープンでブレイクアウトが発生することが見られます。
東京時間でブレイクアウトが成功しやすい、珍しいパターンの1つになります。
ブレイクアウトが成功しやすい方向のヒントは、NY時間の値動きにあります。
今回はNY時間のレンジ後半で、レンジ内部で価格が高値安値をじりじりと切り上げており、パワーバランスが買い派に傾いています。
東京勢はこのNYレンジ内部の買い圧力の高まりを見て、NY時間の最高値(レンジ上限)を東京時間のオープンでブレイクアウトすると買いで一斉に仕掛けてきます。
もうひとつ例を見てみましょう。
次のキウイ円5分足では、前日NY時間後半~今日のシドニー時間にかけてレンジ相場を形成しています。
東京時間でのブレイクアウトの特徴として、ヨーロッパ時間やNY時間と比べブレイクアウトを引き起こすパワー(流動性や出来高)が弱いため、今回のようにブレイクアウトが成功しても、NY時間最高値付近(=レンジ上限)でまごつき、プルバックがこの水準を下抜けることがあります。
また、東京時間のブレイクアウトはヨーロッパ時間オープン(15時ごろ)で終了する傾向があるので、この直前にポジションは利益確定するようにしましょう!
パターン3
前日NY時間でフラッグを形成した場合、東京時間はブレイクアウトトレードのチャンスです。
ただし、東京時間ではトレンドフォローが弱いため、フラッグ高値を超えてトレンドが継続するのは稀で、ほとんどの場合ブレイクアウトが成功してもフラッグ高値に届かずブレイクアウトが終了しやすいです。
そのため、利食い水準はフラッグ始点とフラッグ終点を起点に引いたフィボナッチリトレースメント50%や61.8%の水準にするのが安全です。
東京時間ではブレイクアウトの成功率が低い!【逆張りの仕掛け戦略2選】
東京時間ではブレイクアウトの成功率が低いので、基本的にはブレイクアウトトレードは避け、ブレイクアウト失敗を狙った逆張りが有効です。
下のチャートでは、東京時間において、前日高値とシドニー時間最安値それぞれでブレイクアウトが失敗しています。
前日のヨーロッパ時間とNY時間の2つの市場において、連続でトレンドを形成して相場が大きく動いた場合、翌日の東京時間はガス欠状態でブレイクアウトを生み出すだけの新規注文が入りにくいです。
そのため、ブレイクアウトで仕掛けるのは見送り、ブレイク失敗後の逆張りトレードが仕掛けるチャンスになります。
また、5分足チャートを使って東京時間で逆張りを仕掛ける場合、1時間足ボリンジャーバンドの±2σバンドが逆張りの仕掛け水準としておすすめです。
ボリンジャーバンドは日本人トレーダーに人気のテクニカル指標で、特に日本人トレーダーが多くを占める東京時間では1時間足ボリンジャーバンドで相場が反転する癖があります。
下の5分足では、1時間足ボリンジャーバンド(期間240)を表示しています。
1時間足ボリンジャーバンドが水平状態であるほど、レジサポラインの強度が高くなり、価格の反転確率が高くなります。
注意点として、ヨーロッパ時間では順張り志向の欧州勢が参入してくるため、ボリンジャーバンドが突き抜けやすく逆張り水準として機能しにくいです。
※5分足ボリンジャーバンドの±2σは価格が突き抜けやすく、東京時間の逆張り水準としては機能しにくいです
東京時間で横ばいレンジになりやすい4つのパターン
東京時間は相場が停滞しやすいため、横ばいのレンジ相場を形成しやすく、この東京時間レンジを利用した東京時間の逆張りトレードやユーロ市場オープン後のブレイクアウトトレードが有効です。
東京時間で横ばいレンジになりやすいパターンは次の4つがあります。
関連:【FXデイトレ】ピボットポイントの性質を利用した東京時間レンジブレイクアウト手法!
ケース1:前日NY時間レンジのフィボナッチゾーン
前日NY時間の最高値・最安値を起点に引いたフィボナッチリトレースメント38.2%~61.8%のゾーン内に価格が侵入したとき、方向感が失われ横ばいレンジになりやすいです。
上の相場では、NY時間後半で短期下降トレンドが発生しているため、東京時間ではフィボナッチゾーン内で売りがやや優勢です。
そのため、フィボナッチ50%での反発上昇は弱く、フィボナッチ38.2%での反発下落が強いので、逆張り売りに絞って仕掛けるのがベターです。
また、次の相場ではNY時間後半で上昇トレンドを形成し、また当日シドニー時間でフィボナッチ38.2%下抜け失敗の長い下ヒゲが発生しており、強い買い圧力がこの価格帯にあることがわかります。
そのため、東京時間ではフィボナッチ38.2%での反発上昇で逆張りを仕掛けましょう!
ケース2:前日1日を通して横ばいレンジを形成したとき
前日がレンジ相場の場合、翌日の東京時間では東京勢の逆張り派の仕掛けが活発に入り、前日レンジ内で方向感のない横ばいの動きになりやすいです。
ケース3:前日の東京時間~NY時間に一方向に大きなトレンドを形成したとき
前日の東京時間~ニューヨーク時間にかけて相場が大きく動いた場合、その反動で翌日の東京時間は出来高やボラティリティが縮小し、横ばいレンジになりやすいです。
ケース4:2本の隣接したレジサポライン間
ピボットポイントやキリ番、前日NY時間の最高値安値などのレジサポラインが2本隣接している場合、東京時間にその価格帯に侵入すると横ばいレンジへ移行しやすいです。
東京時間の仲値直後は、調整下落しやすい!
仲値とは、金融機関が午前9時55分のレートを元に発表する対顧客取引レートで、顧客との外国為替取引の基準レートになります。
仲値の直前は、輸入業者による米ドル資金の調達により米ドル買い注文が殺到し、米ドル/円が短期的に上昇する傾向があるそうです。
詳細:「東京市場での需給のクセ」 (仲値でドルが上がる理由)|外為どっとこむ
特にゴトウ日(5の倍数の日)は、輸出入業者の銀行の資金決済が多くなるため、実需のドル需要が多くなる傾向があります。
日本の輸入企業では、取引先への支払いをドル建てで決済する場合が多く、決済日(5や10のつく日、いわゆるゴトー日)に円をドルに両替します。そのためゴトー日になると、金融機関の保有するドルが不足することがあります。
これを「仲値不足」と呼び、金融機関は仲値不足の解消のために、外国為替市場を通じてドルを購入します。これによりドル通貨が買われ、USD/JPYなどは円安へ推移します。
傾向として、仲値を過ぎると銀行や投機筋、個人投資家の買いポジションの決済で短期的な反発下落が発生しやすいです。
仲値を利用したトレード基本戦略
- 午前9時55分前に米ドル/円がじりじりと上昇し始めたら、追随買いを仕掛ける
- 午前9時55分になったら、買いポジションを決済する
また、仲値直後の調整下落を狙った逆張り手法もあります。
詳細:FXトレーダー・羊飼い氏の「5・10日」の仲値トレード術|マネーポスト
特徴5:東京時間の時間帯別ボラティリティは?9時のボラが高い!
東京時間では、ドル/円やクロス円(ユーロ/円、ポンド/円、カナダ円など)、豪ドル通貨(豪ドル/円、豪ドル/米ドル)、NZドル通貨(NZドル/円、NZドル/米ドル)の流動性やボラティリティが高いです。
ポイント
- 東京仲値レートが発表される9時や、10時の時間帯がボラティリティが高い
- 11時~13時は東京時間の昼休みで、日本の株式市場の昼休みとも重なり、FX相場も値動きが落ち着く
- 15時はヨーロッパ時間のオープンと重なり、ボラティリティが高くなる傾向あり
→新たなトレンドやブレイクアウトが発生しやすい時間帯
下記の画像は、ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円の時間帯別ボラティリティです。
また、ドルストレート(ユーロ/米ドル、ポンド/米ドル、米ドル/カナダドル)や欧州通貨(ユーロ/ポンド、ユーロ/スイスフラン)は、日本時間では流動性やボラティリティが他の時間帯に比べ低いため、この時間帯での取引は避けましょう!
関連:【MT4&MT5】複数の通貨ペアのボラティリティを監視できるインジケーターを2つ紹介!
これらの通貨ペアでは、東京時間で値幅の小さい横ばいレンジを形成することが多く、順張りはもちろん逆張りトレードも難しいです。
ヨーロッパ時間オープン(15時ごろ)で流動性が回復し、トレンドが発生しやすい特徴があるので、ヨーロッパ時間~ニューヨーク時間で順張りを仕掛けるのがおすすめになります。