今回は、株式相場で使えるブレイクアウト手法を紹介します。
具体的に次の9つを紹介します。ブレイクアウト手法のアイデアとしてよければ参考にしてください!
目次
月~火曜日に形勢したレンジブレイクアウト!
株式相場では、月~火曜日は相場が停滞しやすく、水~金曜日はボラテリティが高くトレンドが発生しやすい傾向があります。
特に、月~火曜日に値幅の小さいレンジで横ばいした週は、水曜日以降でそのレンジをブレイクアウトし、大きなトレンドにつながることが多いです。
トレード例
上のチャートは、資生堂の30分足です。
9月2日(月)~3日(火)で、ボリンジャーバンドがスクイーズを形成しておりレンジ相場を形成しています。
翌日水曜日の相場を3分足を見てみましょう。
寄り付きの陰線でブレイクするも失敗しましたが、2回目のブレイクアウトは成功しました。
こういったブレイク1波での騙しを避けたい場合は、ブレイク成功後の押し/戻しで仕掛けるのがおすすめです!
今回の場合では、2回目のブレイクアウト直後における、レンジ下限でのプルバックが売りポイントになります。
ポイント
- 月~火曜日におけるボリンジャーバンドのスクイーズは、大きなブレイクアウトの前兆です
- ブレイク1波でのエントリーは騙しに遭う確率が高いです。騙しを避けたい場合は、ブレイク2波で仕掛けよう!
前日高値安値はブレイクアウトの鉄板水準!
1時間足でトレンドが発生している場合は、3分足や5分足での「前日高値安値」のブレイクアウトが有効です。
これは上位足の流れに乗った順張りトレードであり、ブレイクアウトすると価格が進行方向に大きく伸びる傾向があります。
また、1時間足トレンドを狙ったスイングトレードの仕掛けポイントでもあるため、ポジションの長期保有も可能です。
トレード例1
上のチャートは、デンソーの1時間足です。
7月上旬に形成したレンジ相場を上抜け、上昇トレンドが発生しています。
下のチャートは、上昇トレンド3日目の3分足です。
寄り付き2本目で大きな下ヒゲが出現し、寄り付き1本目の安値の下抜けが失敗しています。
そして、その後のブレイク直前の3本の足は実体の大きな陽線で構成され、買いの強さが伺えます。
前日高値を終値で超えたら、買いで仕掛けるチャンスです。上の相場では、寄り付き後6本目の足でブレイクしました。
また、今回のような勢いの強いブレイクアウトでは押し目が浅く、10EMA(指数平滑移動平均線)で反発上昇する傾向があります。
押し目買いを仕掛けるポイントとして利用してみてください。
トレード例2
下の1時間足では下降トレンドが発生しています。8月5日の3分足を見てみると、寄り付きに下窓が発生し前日安値をブレイクダウンしました。
その後株価は前日安値水準まで戻り「宵の明星」で反発下落しています。
また、ここは10EMAでの戻り売りでもあり、絶好のエントリーポイントになります。
ポイント
- デイトレのブレイクアウト手法は、1時間足でトレンドが発生していることを確認しましょう
- 前日高値安値を終値で超えたらエントリー!
- ブレイクアウト後、10EMAや前日高値上(前日安値下)での反発も仕掛けポイントとして利用できます
2日前の高値安値もブレイクアウト手法に使える!
前日高値と同じように、2日前の最高値・最安値も重要なブレイクアウト水準です。
関連:前日高値安値を使ってFXトレードするなら、2日前の高値安値にも注目せよ!
トレード例1
上の日本電産3分足のように、2日前の最高値が前日高値のすぐ上にあるケースでは、株価が前日高値を超えた時点で買ってはいけません。
この時点では、上の2日前の高値がレジスタンスラインとして上昇を妨げ、ブレイクが騙しに終わる可能性があります。
そのため、株価がさらに上昇し、2日前の最高値をブレイクしたのを確認して買いを仕掛けましょう。
トレード例2
他にも、前日安値と2日前の安値(あるいは、前日高値と2日前の高値)が重なっている水準は、ブレイクアウト水準としとて注目度が高いです。
この水準をブレイクアウトすると、新規注文が殺到し大きく動くことがよく見られます。
ポイント
- 2日前の高値安値はレジサポラインとして機能する
- 2日前の高値安値もブレイクアウトの仕掛けとして利用できる
- 前日高値安値と2日前の高値安値を組み合わせた、ブレイクアウト手法がおすすめ!
午後の寄り付きのギャップ・ブレイクアウト
12時30分の後場の寄り付きでは、毎日ではありませんが窓(ギャップ)が発生することがあります。
もし前場の後半(10時30分~11時30分)にフラッグやトライアングルの保ち合いパターンを形成し、午後の窓でブレイクアウトしたらトレードのチャンスになります。
トレード例1
上のデンソー3分足では、前場で上昇トレンドが発生しています。
株価は10時30分頃から動きが鈍くなり、フラッグパターンを形成しています。
これは上昇トレンド中でのフラッグであり、買いのセットアップになります。
後場寄り付き(12時30分)に上窓でブレイクアウトし、1つ目の足で陽線が出現したらここで買いを仕掛けます。
トレード例2
上のチャートは、三菱地所の3分足です。
前場では時間の経過とともにボラティリティが低下し、相場が収縮(高値の切り下げ&安値の切り上げ)してミニレンジを形成しています。
このレンジを後場の寄り付き窓で、上方向にブレイクアウトしました。この上窓は大きな出来高を伴っており、信頼性の高いブレイクアウトになります。
ポイント
- 前場の後半で相場がもみあって動きのない場合は、後場寄り付きの窓でブレイクしたらトレードのチャンス!
- 大きな出来高を伴うブレイクアウトは騙しが少なく、信頼性が高い
前日後場レンジのギャップブレイクアウト
前日の後場が全く動きのないレンジ相場のケースでは、次の日の寄り付きの窓でそのレンジをブレイクアウトすると、大きなトレンドが発生することが多いです。
上のチャートは、資生堂の3分足です。
前日7月16日の後場は、ボリンジャーバンドがスクイーズを形成しており横ばいのレンジとなっています。
そして、次の日の寄り付きで下窓が発生し、レンジ下限を下抜けました。
これはボリンジャーバンドの-2σバンドに沿って下落しており、強いブレイクアウトになります。
1つ注意点として、上のチャートのようにギャップ・ブレイクアウトでの寄り付きの足が陽線のときは、この足で売ってはいけません。
陰線(ブレイク方向のローソク足)の出現を確認したら、そのタイミングで仕掛けます。
ポイント
- 前日後場のレンジは、翌日のギャップ・ブレイクアウトのセットアップ
- 前日後場での横ばいレンジはボリンジャーバンドのスクイーズで簡単に見つけることができます
- 10EMAや直近高値安値の水準がブレイク2波の仕掛けポイント
長期間の移動平均線を使ったブレイクアウト手法
長期間の移動平均線は長期のトレンド相場を特定する指標として、多くのトレーダーが注目しています。
株のデイトレでは、下のトレード例のような株価が長期MAをブレイクアウトしたポイントはトレンド転換を狙ったブレイクアウトの仕掛けとして利用できます。
トレード例1
上のソニー3分足では、50EMAを表示しています。
前日7月18日は1日を通して下降トレンドであり、株価が50EMAの下で推移していました。
次の日の寄り付きで50EMAを上方向にブレイクアウトすると、前日の下降トレンドが終了し、上昇トレンドへと転換したと判断した順張り派の売りポジションの利益確定買いと新規買い注文が入り大きく上昇しました。
ポイント
- 株のデイトレでは、50MA・75MA・100MA・200MAなどが長期の移動平均線として利用されます
- 成熟したトレンド相場での長期MAのブレイクアウトに注目!
- 長期MAのブレイクアウト後、MAでの反発は押し目買い・戻り売りの仕掛けチャンスです
- また、長期MAは順張りポジションのトレーリングストップラインとして利用でき、価格の長期MAタッチまでポジションを保有し続けましょう!
前日相場で形勢した継続チャートパターンに注目
前日の相場全体で継続パターン(トライアングルやフラッグなど)を形成したとき、翌日の3分足はブレイクアウトトレードのチャンスです。
トレード例1
上のリクルート3分足では、9月4日は全く動きのないレンジとなっています。
こういった停滞相場が1日を通して続くと、その反動で次の日の市場オープンで大きく動く傾向があります。
トレード例2
前日にシンメトリカル・トライアングルを形成して、前日の終わり直前にフライング・ブレイクアウトし、翌日大きく上昇しました。
このブレイク1波では前日高値のブレイクアウトが発生しており、2つの上昇ブレイクアウトが重なっているレアなケースです。
ポイント
- 前日に継続チャートパターンは、翌日のブレイクアウトセットアップになります
- 2つの上昇ブレイクアウトが同時発生しているケースは、強いトレンドが発生しやすいです
日経平均株価の連動性を利用せよ!
日本の上場銘柄は日経平均株価の動きにつられやすく、日経平均株価が上昇していると個別株も連動して上昇する傾向があります。
特に、日経平均が前日高値をブレイクアウトすると、多くのトレーダーは「今日は市場全体が上昇日和」と考えるため、個別株の上昇ブレイクアウトの成功確率が高まります。
トレード例
下のチャートは、日経平均の3分足です。9月9日は、寄り付き後すぐに前日高値を超えて勢いよく上昇しています。
そのため、この日は個別株でのブレイク買いが狙い目です。9月9日のダイワハウス3分足を見てみましょう。
寄り付きでは長大陰線が発生するも、日経平均の上昇を見て急反転しジリジリ上昇しています。
ブレイクアウト水準である前日高値を超えたら買いを仕掛けるチャンスです。
もうひとつ見てみましょう。
下のオリエンタルランドでは、前日に形成したトライアングルパターンと前日高値の2つのブレイクアウトが発生して、大きく上昇しました。
ポイント
- 日経平均が寄り付きで前日高値をブレイクアウトした日は、個別株のブレイク買いがチャンス!
- 特に、日経平均株価と相関性の高い銘柄でのブレイク買いがおすすめです。相関性が高いほど、連動性ブレイクアウトの成功率が高いです
※日経平均株価と相関性/連動率は、対日経平均β値でわかります。詳しくは、「β値高位ランキング|日経」を参考にしてください。
関連:相場のサイクル理論|月の満ち欠けが株価に与える影響とは?
前日のダウ平均株価の連動性にも注目!
日本株は日経平均の他にも、NYダウ平均株価の動きにも影響を受けます。
特に米国の景気動向に影響を受けやすい輸出関連株は、NYダウと相関性が高いです。
NYダウで強いトレンドが発生すると、当日の日本の輸出関連株はその流れを引き継いだ動きを見せます。
逆に、内需関連株は世界景気の影響を受けにくく、NYダウとの連動率は低いです。
トレード例
上のチャートはNYダウ3分足です。8月8日23時30分~8月9日5時(日本時間)にかけてNYダウは大きな上昇トレンドが発生しています。
そのため、8月9日9時から始まる日本株式市場では輸出関連株のブレイクアウト買いがチャンスです。
下のチャートは、8月9日の資生堂です。
大きな上窓で前日高値をブレイクアウトし、その後キリ番7800円&10EMAで反発上昇しました。
ポイント
- NYダウ平均株価が上昇すると、輸出関連株でのブレイク買いや押し目買いが狙い目です