MACDを使っているトレーダーの方、こんなお悩みはありませんか?
- MACDのラインが絡み合い、クロスが視認しずらい
- ダイバージェンスがトレンド転換を捉えることが少ない
今回紹介する『出来高加重MACD(VW-MACD)』は 上のような欠点を解決してくれる上位互換のMACDです。
この記事では、従来のMACDと比較した、出来高加重MACDの違いやメリットを紹介します。MACDのシグナルの精度を少しでも上げたい方は、ぜひこの機会に試してみてください!
出来高加重MACDとは?
従来のMACDは2本のEMAの差を数値化しているのに対し、出来高加重MACDはEMAの代わりに出来高加重移動平均線(VWMA)を採用しています。
VWMAとは?
出来高を反映した移動平均線で、出来高で重み付けした価格の平均値になります。
出来高の大きいローソク足は平均値に大きな影響を与え、逆に出来高の小さいローソク足は影響度が低いです。
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下のチャートでは、VWMAとSMAの2つを表示しています。VWMAは出来高が大きいポイントではSMAとは違う動きを見せます。
そのため、短期のVWMAと長期のVWMAの乖離幅を見る出来高加重MACDもまた、出来高を反映した指標であり、MACDよりもシグナルとしての信頼性が高いと考えられます。
出来高加重MACDの計算式
MACD線のMAの種類が異なるだけで、計算式は従来のMACDと同じです。
計算式
- VW-MACD線 = 短期のVWMA(期間x) - 長期のVWMA(期間y)
- シグナル線= VW-MACD線のEMA(期間z)
VW-MACD線は既に出来高で重み付けされているので、シグナル線はMACDと同様にEMAが採用されています。
各パラメーターは、MACDと同じ様に(x,y,z)=(12,26,9)が一般的です。
上のチャートでは、2本のVWMA(期間12と期間26)とVW-MACDを表示しています。12VWMAは短期のトレンド方向を、26VWMAは中期のトレンド方向を示しています。
- VW-MACD線>0:12VWMA>26VWMAであり、価格が上昇傾向にある
- VW-MACD線<0:12VWMA<26VWMAであり、価格が下降傾向にある
- VW-MACD線と0レベルのクロス:2本のVWMAのGC&DCであり、トレンド転換やレンジ入りの可能性あり
MACDとの違い(メリット&デメリット)
MACDと出来高加重MACDはほとんど動きが同じですが、次のような違いがあります。
1.ラインの動きが滑らか
上のチャートではサブウィンドウに、VW-MACDを上に、MACDを下に表示しています。
2つのインジケーターを見比べると、全体的にVW-MACDの方がMACD線・シグナル線の動きが滑らかです。
そのため、クロス時に2本のラインが絡み合いにくく、ゴールデンクロスやデッドクロスがクリアに見えます。
2.ダイバージェンス
MACDでは見落としていたダイバージェンスを、VW-MACDでは拾ってくれることがあります。
上のチャートでは、上昇トレンドの終わりでVW-MACDはダイバージェンスが発生していますが、MACDの方は発生していません。
その理由
トレンドの終わり直前では、出来高が先細りすることが多いです。VWMAはその出来高の減少を反映して、短期のVWMAの上昇幅が小さくなり、2本のVWMAの乖離幅が狭くなります。
その結果、VW-MACD線の山(極大値)は前の山より低くなり、ダイバージェンスが完成します。
それに対して、従来のMACDはトレンド終わりでの出来高の減少を考慮しないため、MACD線の山は前の山より低くならず、ダイバージェンスが発生しないことがあります。
3,クロスのタイミング
MACD線とシグナル線のクロス(GC&DC)の発生タイミングは、VW-MACDより従来のMACDの方がほんの少し速い傾向があります。
※場面によって、VW-MACDのクロスの方が早く発生することもあります
また、MACD線と0レベルのクロスはVW-MACDの方が発生タイミングが早いことが多く、クロスの発生頻度が多い傾向があります。
VW-MACDのMT4・MT5インジケーター
MT4やMT5で出来高加重MACDを利用したい方は、下記サイトからインジケーターをダウンロードできます。興味がある方は、ぜひお試しください!
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※TradingViewのチャートでも出来高加重MACDを表示することができます。
表示方法
インジケーター検索欄で「VW-MACD」と入力してクリックする