この記事では、押し目買いを仕掛けてはいけないタイミング・パターンを9つ紹介します。
このポイントでのエントリーを避けることで、押し目買い手法の勝率を改善することができます!順張りトレードの勝率が低くてお悩みの方はぜひ参考にしてください!
目次
深すぎる押し目は危険!フィボナッチで深度を測定しよう
トレンド波に対して押しが深い場合は、トレンドと反対方向の動き・勢いが強く、押し目での反発上昇が伸びにくいです。
目安として、トレンド波を起点に引いた引いたフィボナッチ61.8%水準を超える深い押し・戻しは、順張りは見送るのがおすすめです。
上の下降トレンドの戻り売りポイントでは、フィボナッチ61.8%を超えて、スイング波の全値を戻すV字パターンを形成しています。
1つ目の戻しでは、しばらくもみ合った後トレンドが再開しましたが、2つ目の戻しでは、そのまま上昇トレンドに相場が転換しました。
トレンドラインブレイクアウト後の順張りは禁止!
上昇トレンドを初期のころから支えていたトレンドラインのブレイクアウトは、トレンド転換のシグナルとして見なされます。
そのため、トレンドライン下抜け後の相場は買い売りの攻守が逆転し、トレンド転換を狙う逆張り売りやブレイク2波・4波を狙う順張り売りが集中し、押し目で反発上昇しにくいケースになります。
特に上のチャートでは、ブレイクアウト直前の高値圏でヘッド&ショルダーズ・トップを形成しており、逆張り派の新規売りが加速する相場の流れになります。
上昇トレンドの最高値、またはトレンドラインを価格が上抜けると上昇トレンドの再開と判断できるため、押し目買いを仕掛けてもOKです。
補足
天井圏でダブルトップを形成した直後の押し目買いは危険!
下の上昇トレンドのように、トレンドの天井でダブルトップを形成した直後の押し目で買いを仕掛けるのは避けましょう!
トレンドフォロワーの多くは、ダブルトップの発生を見て上昇トレンドが終了する可能性があると考え、新規買いを仕掛けるのを控えます。
そのため、その直後の押し目では買い圧力が弱体化し、ずるずると下落することが多いです。
下降トレンドの場合、安値圏でダブルボトムを形成した直後の戻り売りは避けましょう。
上のチャートでは、安値圏でダブルボトムが2つ発生しています。
- 1つ目のWB:ネックラインでの買い売りの攻防により少しもみあっています
- 2つ目のWB:ダブルボトム安値を下抜けるも、強い売り圧力により、大きな下ヒゲをつけて跳ね返され、安値更新失敗しました
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トレンドラインと価格の位置関係で押し目買いの勝率は変わる!
上昇トレンド相場でトレンドラインが引ける場合、そのトレンドラインに価格が大きく乖離しているポイントでは押し目買いを仕掛けるのは避けましょう。
たとえば、上のポイントA・B・Cでは、直前に発生した次の3つの理由により、トレンドラインへ回帰する売り圧力が高まり、押し目買いが成功しにくいです。
- トレンド高値の更新完了 ※前回上昇波も高値更新でトレンドラインまで回帰している
- 高値圏でダブルトップ完成
- リバーストレンドラインに到達
買いで仕掛けたい場合は、その後トレンドラインにまで価格が戻り、反発上昇して高値更新を狙って上昇中の押し目D・Eの2つのポイントで仕掛けましょう。
また、長期トレンド相場では、100期間や200期間の移動平均線の回帰性に気を付けてください。
下のチャートでは、200期間SMAで反発を繰り返し、長期上昇トレンドを形成しています。
価格が200SMAから大きく乖離した後のポイント(3つのオレンジ枠)では、200SMAの引力が強まり、上昇しにくい環境になっています。
このケースも、200SMAで反発上昇確認後の1~2つ目の押し目が強い買い圧力を受けて上昇しやすいです。
バイイング・クライマックス発生後にトレンドを追いかけてない?
上昇トレンド後半でのバイイング・クライマックスの発生は、トレンド転換やレンジ相場への移行につながります。
上のチャートでは、キリ番0.6800ドルに到達させようとする機関投資家の大玉とその急上昇に釣られた大衆の買いで、キリ番0.6800ドルへ向かって価格が急騰しています。
このバイイング・クライマックスの急騰では買い需要が膨れ上がり、その反動でキリ番0.6800ドル到達後は買い需要がほとんどなくなり、トレンドを支えるだけの力がなくなります。
このようなトレンド後半でのレジスタンスラインに向かう価格の急騰は、バイイング・クライマックスの可能性が高く、そのまま上昇トレンド終了につながることが多いため、トレンドの勢いが強まったからといって押し目買いでトレンドを追いかけようとしてはいけません。
バイイング・クライマックス(BC)の特徴
トレンド後半で、レジスタンスライン(キリ番やピボットポイント)に向かって、陽線が連続して(上のBCでは9本連続の陽線)、それまでの上昇波と比べて急角度で上昇する
アジア市場は、順張りで仕掛けるのは禁止!
オセアニア市場~東京市場は、相場が閑散としてボラティリティが低く、トレンド発生しにくいです。
上のチャートのように、相場が上下に動きトレンドが発生したとしても、いずれもトレンドが継続せず、結局幅の広いレンジ相場でアジア市場を終えるというケースがよく見れらます。
そのため、アジア市場で順張りを仕掛けると、気づかないうちにレンジ相場にポジションを拘束され、ロンドン市場オープンでのユーロ勢の損切狩りに巻き込まれる可能性があります。
午前中は、基本的にトレードを避けるべきですが、トレードしたい場合は短期逆張り売り手法に絞るのがおすすめです。
たとえば、上のチャートでの逆張りポイントは次の3つが挙げられます。
Ⓐ:短期下降トレンドの転換を狙った、逆張り買い(下降トレンドの上抜けで買い)
Ⓑ:前日高値下での反発で売り ※午前中は前日高値をブレイクアウトするよりも、レジスタンスラインとして反発下落することが多い
Ⓒ:ミニ上昇チャネルライン下での反発売り
ポイントCでの仕掛けは、ロンドン市場オープンが近いので、ポジション管理には気を付けないといけません。
上で述べたように、ユーロ勢の参入で相場が一方向に大きく動き、保有していたポジションが損切になることがあるので、ロンドン市場前に逆張りポジションは決済するのが安全です。
窓埋め完了時の押し目買いは避けよう!
下のドル円5分足チャートでは、月曜早朝に下窓が発生しました。
その後、窓を埋めようとする動きにより価格はじわじわと上昇し、窓開始点となる水準まで到達しました。
この水準は、窓埋め完了後の新規逆張り売りや窓発生により含み損となった買いポジションの建値決済等により、強い売り圧力が発生するポイントです。
そのため、この窓開始点となる水準下での上昇トレンドの押し目買いは、強い売り圧力の抵抗を受けて高値を更新できず、しばらくもみあい相場に巻き込まれる傾向があります。
この水準をしっかりブレイクアウトして、買い勢力側に形勢が逆転してから、順張り買いを仕掛けるのがおすすめです。
もうひとつ例を見てみましょう。
上のオージードル5分足では、下窓の開始点となる水準が強いレジスタンスラインとして機能し、価格の上昇を跳ね返しています。
前日からの大きな上昇トレンドの流れを見て押し目買いを仕掛けたい環境ですが、この水準下での買いは危険です。
基本方針として、窓開始点となる水準下では短期逆張りの売り目線で、この水準を超えて上昇トレンドが再開したのを確認したら順張りの買い目線で固定しましょう。
重要経済指標前はトレンドが発生しにくい!
重要経済指標を控えた市場は、発表時の急変動を警戒してボラティリティの低い閑散とした相場になります。
そのため、重要経済指標の発表の5時間前になると、トレンド発生を期待した順張りで仕掛けるのは控えましょう。
上のオージードル5分足では、12時30分の豪・中銀政策金利を控え、早朝3時30分ごろから動きの鈍いレンジ相場を形成しています。
※TradingViewでは、チャート上に経済指標の発表時刻に垂直線が自動で表示することができます。
アイコンをクリックすると、経済指標の詳細データ(結果・予想・前回値)が確認できます。
遅行スパンの動きに要注意!
遅行スパンが価格とクロスするのはトレンドの勢いが低下しているシグナルであり、トレンドが転換する可能性が高いです。
チャネル内では、逆張り派の動きに気を付けよう!
トレンド相場がチャネルを形成して動いている場合は、チャネルラインに価格が到達すると、トレンドラインへの回帰を狙う逆張り派の動きが強まります。
たとえば、上の下降チャネルでは、チャネルラインに価格が到達すると、トレンドラインまでじりじりと上昇しています。
下降チャネルの形成を無視して、一時的に強い上昇気運が高まっているポイントで売りを仕掛けると損切に巻き込まれてしまいます。
下降チャネルのトレンドで順張りを仕掛ける場合は、トレンドラインまで引き付けて逆張り派の動きが弱まるタイミングで仕掛けるのがベターです。