FX市場や株式相場では、月曜日は様子見のトレーダーが多いため、出来高が少なく狭いレンジを形成する傾向があります。
そして、このレンジをブレイクアウトすると、様子見していたトレーダー達の新規注文が市場に流れ込み、一方向に大きなトレンドが発生することが多いです。
この記事では、この一連の値動きパターンを利用したブレイクアウト手法について解説します。
関連 【FX】5分足ブレイクアウト1波の内部で順張りを仕掛ける方法を4つ紹介!
マンデー・レンジの見つけ方
まず、この月曜日に発生するレンジ(以下、マンデー・レンジ)の見つけ方を紹介します。
次の2つの条件を満たしたものが、マンデー・レンジとしてトレードすることができます。
条件1
- 月曜日の日足の大きさが直近数10本のローソク足と比べて小さい
実体の小さいコマ足や十字線がベストです。大陽線・大陰線やヒゲの長いローソク足はダメです。
条件1を満たす日足のみ、次の条件2へ進みます。
※ローソク足の大きさを測定表示するインジケーターは『【MT5】ローソク足の大きさをpips表示するインジケーター3選!』で紹介しています
※小さなローソク足パターンを見つける方法として、ナローレンジパターンを活用するのもおすすめです
詳しくは→【FX】ナローレンジとは?ブレイクアウト手法に使えるセットアップ!
条件2
- 1時間足チャートで月曜日に狭い値幅のボックスレンジを形成し、ATR(期間14)が下落してボラティリティが下がっていることを確認
狭い値幅のレンジは、ボリンジャーバンドのスクイーズで見つけることができます。
ボリンジャーバンドの±2σバンドの収縮は、価格のボラティリティが低下していることを意味しています。
関連:【MT4】ボリンジャーバンドのおすすめインジケーター13選!【MTF・アラート・%B】
※ATRを使ったボラティリティ分析は、こちらの記事でも解説しています。
・相場のボラティリティを解析!ATRボリンジャーの使い方を徹底解説!
・【ボラティリティ分析におすすめ!】ATR MA Oscillatorの使い方&見方
では、次の4つのチャートを使って実践的なトレード解説をしていきます。
マンデー・レンジを使ったブレイクアウト手法の解説
トレード例1:ドル/円2018年7月16日
上のチャートは、ドル/円1時間足チャートです。
7月16日(月)は小さなローソク足が横ばいで推移しており、スクイーズを形成しています。
このレンジの上限、または下限ラインを火曜日以降でブレイクしたら仕掛けます。
下のチャートは、7月17日(火)の5分足です。
レンジの上限ライン112.564円を大陽線で勢いよく上抜けています。
これはブレイクアウトのエントリーシグナルなので、このタイミングで買いを仕掛けましょう!
損切りの水準は、次の2つが候補になります。
・レンジ上限の下
・キリ番112.500円の下
キリ番112.500円の下に損切りを置くと、レンジ上限の下に置くより損切りにかかりにくいです。
ただしデメリットととして、損切り幅が大きくなり損益比が悪くなります。
※ブレイクアウト手法の利食いについては、下記の記事で解説しているのでよければ参考にしてください。
トレード例2:ドル/円2018年8月28日
月曜日だけでなく、月曜日~火曜日にかけてレンジを形成することもあります。
レンジの継続時間が長い分、ブレイクアウトで勢いよく相場が動く傾向があります。
上の1時間足では、月曜日~火曜日のレンジを水曜日にブレイクアウトしています。
ブレイクアウト後、+2σバンドに沿って勢いよく上昇しており、勢いの強さが見てとれます。
5分足では、レンジ上限のブレイク直後にプルバック(価格の戻し)が入って上昇しています。ここが買いを仕掛けるポイントになります。
また、今回のような勢いの強いブレイクアウトでは、パラボリックを使うと利益を伸ばすことができます。
具体的には、ローソク足が下にあるパラボリックの点を下回ったら利食います。
ーパラボリックを使ったトレーリングのメリットー
・ブレイクアウトが加速すると、パラボリックも加速してブレイクアウトを追跡します
→ブレイクアウトが終了するまえに素早く利益確定できます
・最初のパラボリックは動きが鈍いため、ブレイクアウト開始時点でのストップロスは動く幅が小さく損切にかかりにくい
トレード例3:日経平均株価2018年10月9日
FX相場だけでなく、株式相場でも同様のレンジパターンが見られます。
たとえば、日経平均では月曜日や火曜日は上昇確率が低くてレンジになりやすく、週末は上昇確率が高いという統計データがあります。
月曜日~水曜日のロンドン市場にかけてレンジ相場を形成しています。今回のように月曜日と火曜日に動きがないと、水曜日~金曜日に大きなブレイクアウトが発生することがあります。
順張りで仕掛けるチャンスなので、1つのトレードパターンとして使用してみてください!